あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

またまた石鹸の話 ヒートトランスファーメソッド

私が作っている石鹸は、コールドプロセスという、極力熱を加えずに作る石鹸です。

この方法だと熱に弱いオイルなどを使っても、その成分を壊すことなく作ることができるからです。

ただ、苛性ソーダは精製水に溶かすと90度近くになるので、ちょうど良い温度である40度から42度くらいにオイルも苛性ソーダ水も温度を合わせるのが結構大変なんですよ。

苛性ソーダを冷ましながら、オイルを少しずつ温めて42度くらいにするのですが、あまり時間が離れると冷めすぎたりして「おっと!」となることが多いのです。

ちょっと目を離すとオイルの温度が上がり過ぎたりしてしまうので、とにかく難しい。この温度を調整するという部分が石鹸づくりの一番のピークだと思います。

あとはひたすら撹拌して型に入れ、保温箱へ入れて24時間、箱から出して固まりが弱ければ、そのまま数日乾燥させてから型出し・・・そしてカット、アンド1か月から2か月の熟成期間を経て完成!となります。

乾燥&熟成させている間も天地をひっくり返したりして、手をかけてあげないといけないので、コールドプロセス製法の石鹸は、非常に手間ひまかかって作られているのです。

朗報!ヒートプロセス製法

さて、ヒートプロセス製法の対面にあるのは、ホットプロセス製法、いわゆる窯炊き製法ってやつですが、これは熱を入れながら作る製法のため、鹸化をその時に進めてしまうので、1日か2日経ったら石鹸として使えるようになります。実際には、10日くらい寝かせた方が型崩れしにくくなるので、そのくらいは寝かせた方が良いみたいです。

ホットプロセス製法でもグリセリンは残るので、しっとりした使い心地には変わらないのですが、高温に弱いオイルを入れてもそのオイルの良さが保てないので、例えばオリーブオイルがほぼ9割みたいな熱に強いオイルだけで作るのであればOKです。

通常売っている石鹸は、この大量に作ってすぐに使えるという意味でホットプロセス製法で作られています。

今回、なんといいとこ取りみたいなヒートプロセス製法なる作り方を学びました。

作り方は、コールドプロセスよりある意味オイルの良い成分を残せそうなもので、通常温度を合わせる苛性ソーダ水とオイルを温度を合わせず作る製法です。

オイルといっても、ココナツオイルのように寒くなってくると液状ではなく固形になるオイル(これをハードオイルと呼びます)があり、そのハードオイルを先にボールに入れ、冷ましていない苛性ソーダ水をその中に入れて、その熱でハードオイルを溶かし、溶けたらそこにソフトオイル(液状のオイル)を加えて撹拌するというもの。

この方法だと一切熱源は使わないので、自分が大事にしたいオイルの成分をほとんど壊さなくて済みそうな感じ(といっても苛性ソーダ水を入れるのでまったくというわけではないですが、これは全部に言えることなので)が良いと思いました。

保温箱には2日間入れる必要があるのですが、それも放置プレイでなんとかなりますから、あとは型出ししてからカットして乾燥&熟成はほぼ同じです。

なので、手間ひまの観点からだと別にたいして楽にはならないのですが、熱源を使わないというところで、さらに良い石鹸ができそうで嬉しいです。

私は飾りとかのある石鹸には興味がないので、素晴らしいオイルの組み合わせと精油(香料ではなく本物の精油)で作りたいと思っていますので、マイカ等を使って綺麗な石鹸とかそういうのを期待するのはやめてくださいね(笑)

クレイなどで色をつけることはありますが、マイカなど不純物みたいな色素を使うことはないというだけです。

ヒートトランスファーメソッドで作ったとしても、特に短期間で作れるわけではないけど、こんな方法あったんだーというのが良かったところですね。明日は、2種類のハードオイルで食器洗い用の石鹸を作る予定なので、ちょっとこの方法を試してみます。