新春、不思議話の登場です。
こまりんさんから、年末年始のNY旅のお話しが送られてきましたのでシェアしますね。
ドラマや映画の撮影でよく使われる(最近だとゴーンガールとか)、ある有名ホテルに宿泊されたそうですが、その部屋に出たんですよ。
色々ググってみましたが、そのホテルのお化け話や怖い噂などは皆無だったので、見える人にしかホテルの人も話さないのかなぁ~と。
でも、ある口コミサイトで「清掃がなってない。他人の髪の毛が落ちていた」っていうのがあって、それって実は・・・・なんて思ってしまった私でした。
だって、こまりんさんとシンガで一緒に泊まった時、バリバリ霊現象だったにも関わらず、まったく気づかずにいたという私なので(笑)
お話し自体は怖い・・・という感じではないのですが、なんだか「いる」のが普通って感じが、面白いなと思った内容でした。
では、お楽しみください。
年末恒例のNYエンタメ鑑賞旅行。
去年もミュージカルだのなんだの、色々と予約して楽しんできました。
今回は、エンタメ三昧のためにロケーションの良いところにホテルを取ろうと探していたのです。
通常、名の通ったホテルだと年末年始は空き室がなかなかないのですが、なぜか空き室ありで、サラッと予約決済が完了したホテルがありました。
その名は、P(以下略)ホテルNY。
かなり有名なホテルで、ドラマや映画の撮影にもよく使われています。
最近では、ヒット映画のゴーンガールで使われたとのことで、それを見た日本人宿泊客も多いようでした。
私はとりあえず片っ端から空き室検索して、空き室があったので予約したのですが、到着してみるとなるほどと納得の豪華なロビーでした。
『人気ホテルなのによく空いてたなぁ~』
しかし、チェックインカウンター前は人・人・人!!
わりと大きなホテルでもあるので、予約客も多いのでしょう。
チェックイン時間より早い昼頃に到着したのにこの状況。
仕方なく並んでいると、待つこと数10分。
やっとカウンターにたどり着いたと思ったら、「ご予約のスタンダードルームは空室がありません。他のお部屋でもいいですか?」とめちゃめちゃ早口の英語で言われ、ちょっと戸惑いました。
外国で仕事をすることも多いのですが、ニューヨーカーの英語って、聞き取りにくいんですよね。
「予約したスタンダードより広いならOK」と伝えました。
それですぐ部屋が決まるのかと思ったら、またしばらく待たされ、結局、部屋に到着したのはチェックインカウンターに着いてから50分は経過していました。
部屋は、1502号室。
リビングとベッドルームに分かれた少し広めの部屋でした。
リビングの窓のからは5番街の通りと摩天楼がぼんやりと見えて、なかなか良い感じです。
ベッドルームの窓も大きく、清潔感もあり、なかなか幸先の良いスタートだわ!なんて素直に喜んだものです。
ミュージカル劇場が多い地域からは遠いのですが、予約している夜のミュージカル会場は、ホテルの通りからすぐです。
夜のために水やワイン、おつまみなどを買い出しに出かけて、のんびりし、シャワーを浴びて夜を待ちました。
立地が良いので、買いたいものがすべて近くで調達可能♪
「まさにストレスフリー♪」
なんて、にんまりしていたのです。
最初のミュージカルを堪能し、大満足で部屋に戻り、就寝・・・のはずですが、時差が大きいために夜はどうしても目が冴えてしまい、ベッドでうとうとしていても、結局目が覚めてしまいました。
諦めてリビングルームに移り、テレビをつけてワインを飲みながらおつまみを食べていました。
すると、いきなりどこかから「ザー」というシャワーの音がしてきました。
「・・・・?」
こんなホテルで隣の部屋のシャワー音が聞こえるなんて、そんな安普請には見えないけど・・・。
そんな壁薄い???
「・・・でも、すごいはっきりしてない?」
TVを消して、耳を澄ませてその音を聞くと、なんだかとてもクリアに聞こえてくるのです。
まるですぐそこで誰かがシャワーを浴びてるような・・・。
「・・・・・もしかして」
夕方自分が使ったバスルームの方に耳を傾けると、どうもそこから聞こえているようなんです。
それは、さっきまでいたベッドルームの奥にあるのです。
そっと歩いてベッドルームに戻ると、やはり音はそのバスルームからでした。
「・・・なんでよー」
恐る恐る近づいて、バスルームのドアを開けると、電気は消えているのに開けておいたはずのカーテンが閉まっていて、シャワーの水が勢いよく出ていました。
そして、暗い中にボーっと人の影が見えます。
「・・・マジ?!」
バスルームが湯気で暖かくなっています。
これは・・・霊・・・・のアレだよね~??
すぐにドアを閉めて、とりあえずリビングに戻りました。
「・・・・・どうしよう」
慣れているとはいえ、あれだけはっきりとした霊現象に遭ってしまうと、さすがにちょっと嫌だなという気になります。
でも、夜中だし、部屋を変えてもらうというほどのこともないかなぁ~。
疲れてるし、スーツケースの中身も全部出しちゃったし・・・。
うだうだ悩みつつも、出した結論は、「このまま電気つけっ放しで寝てしまおう!」というものでした。
ニューヨークでも、ホテル滞在で幽霊に遭遇は初めてではありません。
慣れというのは恐ろしいもので、こういう時に肝が据わっちゃうというか、もういいかって気になってしまうから不思議です。
そうやって平気そう(本当はそうでもなかったけど)にしていたからか、ベッドに入ってからは再度シャワーの音に悩まされることはありませんでした。
朝・・・。
わりとぐっすり眠れたので、すっきりと目が覚めました。
夜中の怖さはもうほとんど忘れていて、シャワーを浴びようとバスルームのドアを開けたら、床や浴槽に多数の金色の髪の毛が落ちていました。
「ゲッ」
さすがに気持ち悪いので、先にお掃除の人を呼んでしまおうと、電話を入れて朝食を食べに行くことにしました。
どうせタオルの交換もお願いしようと思っていたので、まぁ、いいかって感じです。
朝食から戻ると、すでに部屋は清掃中。
「あら、ずいぶん優秀」
呼んでも来ないなんてことは普通なので、ちょっとびっくりしました。
鍵を見せて部屋に入ると、お掃除をしていた女性が「ハイ!」と気軽に声をかけてきました。
「昨日の夜はシンディは来たの?」
いきなりそんなことを言われてびっくり。
「あれ、あなたの髪の毛じゃないわよね?」
「えっ?・・・・ええ」
どうやら、バスルームの金髪のことを言っているようです。
「たぶん、来たと思う」
きっとあの「人影」のことなんだろうと思ったので、そう答えました。
彼女は「やっぱり。あなた平気なのね」と言って笑うと、「シンディはね、チョコレートが好きよ。チョコレートを置いておくと機嫌がいいわよ」と言い残し、掃除を終えると出ていきました。
「チョコねぇ・・・」
でもまぁ、いいことを聞いたわ!
早速、近所でチョコレートを購入し、バスルームやリビングの目につくところに置いていきました。
その夜ももちろんミュージカル鑑賞です。
出かけて帰ってくると、
「・・・・マジ?」
置いておいたチョコは、包み紙が剥され、中身がなくなっていました。
紙は、色々なところに落ちていて、「食べたわよ」アピールをしているようでした。
『幽霊って、チョコレート食べるんだ』
後から考えると、ホテルの人がいたずらでしたのかも・・・なんて思いましたけど、でも、飴やそのほかのスナックも置いたのに、なくなっていたのはチョコレートだけだったので、そうとも思えません。
そして、滞在中は口紅の蓋が開いていたり、シャワーの音以外にも、色々と奇妙な音が聞こえたりしたのです。
本当に一人で泊まってる気がしない!!って感じでした。
いったい、シンディって誰だったんでしょう。
それを聞く機会は特にありませんでした。
チェックアウトの日。
せっかくだから、残っていたチョコレートを置いて部屋を出ました。
エレベーターを待っていると、誰もいないはずの廊下から女の子の声で「サンキュー」と聞こえてきたのです。
可愛い女の子なのかも知れません。
きっと良い子だったんだろうなぁ~なんて考えながらやってきたエレベーターに乗りました。
ところが・・・・。
チェックアウトの時にシンディの話をしてみると、彼女に気に入られない?と、バスルームで溺死したり、転んで首の骨を折る人がいたとのこと。
「あなたは気に入られたたみたいだから、良かったわねー」
と言われ、その時初めてぞーーーーーとしたのでした。
恐怖の現場、結構観てますけど、終わっちゃったんですってね。