1980年代後半の中島みゆきのオールナイトニッポンの最後のはがきコーナーを集めてYouTubeにアップしているのを聞きました。
番組の最後に視聴者のはがきを読み、それに少しコメントして「また来週」という感じなんですけど、その一般視聴者からのはがきに書いてある内容が今の「ヤバい」しか言わない若者とはくらべものにならないくらい素晴らしい文章なんです。
こんな素敵な言語を使う私たち日本人が、本も読まなくなり、どんどんまともな日本語が使えなくなってきているのかと思うと、本当にもったいないし、残念な気持ちになります。
ひとつ、紹介しますね。
札幌のプラムさん
小さい頃、いいえ、生まれた時からいつも一緒で母に怒られた時もまっさきに庇ってくれ、そして育ててくれた最愛のおばあちゃんが昨日の朝亡くなりました。
切れ間なくゆらゆらと立ち上る数本の煙の横に眠っている祖母は、揺り動かせばもう一度「よっこらしょ」と起き上がってきそうです。
大きくなった私が傷つけたこと、疑ったこと、涙の数だけでも許して欲しいんです。
流氷を見に行く約束も、ビール片手に祖母のはりのある得意なおしゃべりを聞くことも果たされぬものとなってしまいました。
喜びを伝える5日前の電話で、もう少し話していたいと感じたのは、虫の知らせだったのでしょうか。
いいことがいっぺんに続きすぎた分、それ以上に悲しみという雲がおおいかぶさってくるなんて・・・。
外は快晴です。
少し笑っているようにさえ見える祖母の寝顔は、明日からは写真でしか見られません。
来ると言っていた卒業式は5か月先。
きっと来てくれますよね。
(ラジオなので)聞き手にこの情景やおばあちゃんに対するプラムさんの思いが、しっかりと伝わる素晴らしい文章です。
私も人のことは言えないけど、美しい日本語をきちんと書いたり、言葉で表現したりしたいなと思いを新たにしました。