あじゃみんのブログ

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派遣というお仕事 ~事務職派遣の変遷 その2~

その1はこちら

せっかく派遣で働いているので、派遣あるあるとか雇う側だった時とかの話もしようと思います。私の経験だけではなく、色々な人から聞いた話とかも書いていこうと思います。派遣といっても、日雇いや工場派遣等色々な種類があると思いますが、私の書くものは、すべて女性が主にする事務派遣の話です。

派遣は3年まで

まずは、労働者派遣法で面倒くさい「3年ルール」についてちょっと書こうと思います。派遣労働が解禁された時から、「とにかく派遣というのは、臨時雇いだから、ごくごく限られたスキルを要する仕事だけ派遣で働かせていいんだかんね!」という建前の下で始まったのは前回書きました。

ただ、世はグローバル社会。

大人の事情(ってわけでもないけど)で派遣できる業種も増えていきました。その後不リーマンショックで不景気になったのもあって臨時雇いのはずが、なんだか「定型の仕事」になっていったんです。

事務職の登録型派遣で働く場合、専門26業務は細かい契約を繰り返せば、実質、期限なしで働けていました。よく言えばその職場で「不要」とならない限りは更新を繰り返して何年でも働けていたわけですが、悪く言えば、本来は「臨時雇い」の立場なはずの派遣社員がずっと不安定な立場の派遣社員のまま働き続けることになっていたわけです。

実際には爆発的に増えたわけではないのですが、だんだんと社会で非正規雇用が目立ってきたのもあって、左翼政党が「派遣は臨時雇いだったはず。3年も働いたら直雇用してもいいじゃないか」と言い出し、「派遣は臨時雇い」を厳格化すべく、2015年に大きな法改正が行われました。

大きな法改正

それまでは、細かく契約し直すことで、3年を超えても同じ職場で同じ仕事をし続けられていましたが、「臨時雇いなのに何年も派遣社員に同じ仕事をさせるのはおかしい」とまた言い出し、26業務は廃止され、どの職種であっても「派遣社員が同じ事業所の同じ部署で就業できる期間は、派遣就業開始日から原則3年まで」となりました。

また、事業所単位での派遣期間制限もでき、「派遣先の同一の事業所において3年を超える継続した労働者派遣の受け入れはできない」というルールもできました。

とはいえ、これには裏(でもないけど)があり、皆さんにお伺いを立てて「派遣をもうちょっと先まで雇ってもいいですかね?」って諮って「OK、いいよん」と言われればそのまま派遣社員を雇い続けられるとしたので、結局、こんなルールは形骸化され、誰も事業所単位の期間制限など気にしてはいません。

個人の方は、改正後の最初の3年を迎える時、結構「はい終了です」と雇い止めされた人も多く、ニュースなどでも大きく取り上げられました。

派遣会社にも雇用安定措置を取ることが義務付けられましたが、派遣先に直雇用してもらうという努力義務は「そんなことしたらスタッフがいなくなって困るじゃん」という本音ちらほらで、ほぼ派遣先に雇ってくださいなどという派遣会社はいません。

それ以外の努力義務は、別の派遣先を紹介と派遣元で無期雇用のふたつがありますが、こちらが主流になっています。

派遣先だって「安い労働力」を使いたいから派遣社員を雇っているのに正社員で雇用なんてするわけもないですし、企業などだと契約社員が多いので、月給制だったりすると負担も大きくなるので、「はい、さようなら」と追い出すか、派遣元の無期雇用になって働き続けてもらう・・・というのが一般的です。正社員への登用は、ほとんどありません。また、多様な働き方がいいとあえて派遣を選んでいる人には、はなはだ迷惑な法改正と言えるでしょう。

まったく実情をわかっていない政治家の独りよがりの政策によって、労働者は踊らされているようです。

(同一労働同一賃金は、正社員と同一ではない・・・に続く)