あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

派遣の実体

10/2 一部誤りがありましたので、訂正しました。

今後の雇用保険のこともあるのでハローワークに登録に行ってきたのですが、すっごい混んでいてびっくり!

失業者って、こんなにいるんだぁ~と驚きました。

やはり年代が高い人が多くて、正直、見ていて「あなたを雇う人はいるのかしら?」という感じの人もいましたよ。

今回、派遣会社に登録して、派遣法などの冊子だとかを読んだのですが、私が知っていた時代から、派遣法の改正でどんどん「働きにくい」状況になっています。

専門的な26業務以外は、3年期限の自由化契約で、その法改正の本来の目的は「3年を超えたら直接雇用をオファーさせる」ということみたいですが、実態はそれで終わりというのが多いそうです。

つまり、以前よりも「労働者を使い捨て」しやすくなったということ。

また、派遣で直接雇用されて一定期間働いてそこを辞めた場合、以前は3か月だったものが、1年は同じ会社に派遣としては戻れないことになりました。

慣れた場所だから、違う部署から声が掛かったなど、昔はそうやって指名などがあった会社もあるようですが、今後はできなくなり、私のような年齢層の高い人は実績等で評価して貰える場所があるのに、法律で働くのが禁止されてしまうわけです。

直接雇用ならいいようですが、派遣なら雇用保険社会保険は派遣会社が負担するので、派遣先企業は時間給だけ払えばいいわけですが、直接雇用になるとそうはいかないので、雇止めが発生します。

直接雇用といっても、アルバイトでもなんでもいいわけですから、ずっと安い賃金にされることもあるわけです。

まぁ、そんな扱いを受けてまで同じところで働く人はそう多くないとは思いますが、生活のためと我慢しなくてはならない人もいるでしょう。

いったい、政府は何を考えてこんな改正をしているのでしょうか?

社民党の党首が「直接雇用」を連呼して、強力に法改正を主張していましたが、結局雇止めを増やし、継続的に勤めにくくして、失業者を増やすことになってしまいました。

今後、契約社員も何年か働いたら有期契約にしてはいけないという改正もされるそうですが、その期間までに雇い止めさせられたら、終わりです。

その間は、有期契約なので、よっぽどのことがない限り、辞めざるを得なくなります。

今回勉強して分かったのは、有期の契約社員でも職務内容や更新回数で雇い止めする際に会社側に厳しい条件がつく時があるそうです。

しかし、それを回避するにはということで「更新回数を少なくし、次回の更新の際に業務内容その他を話し合って条件が合えば更新とする」という条件を付けておけば、できそうもないようなことを言ったり、ある意味難癖をつければ更新の理由がないとペナルティーなしで雇止めができるという酷いアドバイスが載っているところもありました。

能力もあり、働きたいのに法律が働く場所を奪っているなんて、おかしな話です。
日本は、キャリアよりも年齢で判断するのが多いので、コネでもない限り仕事紹介もなかなか貰えません。

派遣は、応募先の会社には氏名と職歴しか出しません(以前は年齢や学歴等も出していたようですが、現在は禁止されています)から、面接に行かれればまだいいのですが、派遣会社に勤めている人に聞いたら、「表向きは絶対言ってはダメだけど、実際には選考の段階で年齢ではねることも多い」と聞きました。

派遣会社はマージンで食べているので、確実に採用される人を出したいというのがあり、この会社だと若い人じゃないとダメだなというのがあるのでしょう。

また、会社から暗に「できれば社内がこうなので、年齢はこれくらいで」という申し出もあるようです。

また、実質的には合否があり、採用面接であるにも関わらず、派遣の場合は事前面接が禁止されているため、派遣会社は「面接」という言葉を一切使わず「会社訪問」や「見学」と言います。

事前にその会社の雰囲気などを見てもらうために実施しているということになっているのですが、100%事前面接で合否の結果待ちがあります。

これも公然と法律違反ですが、実際は長期で働くかも知れないのだから、人となりも見たいでしょうし、企業は人も見ないでその人を雇い入れるということはしないでしょうから、まったく実態とかけ離れています。

まぁ、翻訳とか通訳のような仕事は別ですが、オフィスワークだと人間関係も絡みますから、これは当然ですよね。

でも、こちらが「面接は」と言っても、派遣会社が頑なに「会社訪問」と言って、絶対に面接という言葉を使わないのには笑ってしまいました。

そうやって認めてしまうと法律違反を認識していることになってしまうので、絶対言ってはいけないのでしょうね。

私も職場で派遣の方をお願いする時、人事部から書類が回ってきて、面接時の注意事項なんていうのを読んだことがありますが、「面接での選考は法律で禁止されているので、いらっしゃる方は“会社見学”にいらしているという認識で、合否をほのめかすような言葉をその方の前では口にしないでください」というのがあって笑いました。

でも、選考しないで雇っている会社なんて、どこもありませんよ。

本当に社会って嘘だらけだなぁ~。

私はゆくゆくは独立して仕事をしようと思っているので、とりあえず働けるところがあれば別にいいのですが、なるべくきちんとした形で働きたいという人たちを「直接雇用」ということにこだわって、どんどん人を職場から遠ざけているのが現状ですから、普通の社会で働いたことがないとか、実態の調査もしないで形だけで政策を決めているのが、これでよく分かります。

これだけ税収が落ち込んでいる時に、政府自らが失業者を増やす政策をどんどん推進しているなんて、まったくおかしな話ですね。

社会は人で成り立っているのに、会社や組織を支えてくれるその「人」を使い捨てにする社会など、栄えていくわけはないでしょう。

すべてではないでしょうが、日本の将来が暗いのは、中身と心のない雇用政策のせいでもあるのではないでしょうか。