あじゃみんのブログ

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あいちトリエンナーレ、ただいま炎上中 その1 なにがあった?

夜になったら多少涼しくなりますが、やはり湿度は高いので、冷房を止めていると暑くて息苦しくなってきますね。
熱中症の方も日々報じられていますし、こんな熱波の時期にオリンピックとか、来年いったいどうなるでしょう。
こんな状態なのに開催時期を選べないというのは、商業主義って、アホらしいですね。

さて、そんな暑い日本列島ですが、愛知県で行われている「あいちトリエンナーレ2019」が絶賛炎上中です。
炎上しているのは、あいちトリエンナーレ自体というより、その内容の一部の展示が多くの批判によって中止になり、それについて賛否を含めさまざまな意見が飛び交っています。
なんでそんなに大騒ぎになっているのか、これはいったいなに?と興味を持った私は、色々な意見やら説明やら映像を観て、私なりに考えてみましたので、経緯と共にまとめてみたいと思います。
(文中で赤字等にしているのは、筆者によって強調したいと思った文字です。紹介されている文章などは、基本的に元は単色となります)

あいちトリエンナーレとは

そもそもこの「あいちトリエンナーレ2019」とは何なのでしょうか。
あいちトリエンナーレのサイトに行くと、「あいちトリエンナーレは、愛知県で3年に1度開催される国内最大級の現代アートの祭典です。国際展や映像プログラムなどの現代美術と合わせて、ダンスや演劇、音楽などの舞台芸術を楽しむことができます。」と紹介されています。現代アートに全く興味もなく、見てもさっぱり分からない私は、こんな大きなイベントがあること自体知らなかったのですが、皮肉にも、この「大炎上」によって知ることができました。
今年でもう4回目なんだそうです。

このイベントは、「あいち」とついているくらいですから、公的なものなのかな・・・と見てみると「愛知県知事を会長とする、あいちトリエンナーレ実行委員会」が主催して行われているようです。
公的機関だけではない様々な機関や企業が集まって実行委員会が設置されていますが、愛知県知事が会長で、名古屋市長が会長代行となっていることから、このイベントは「公的なもの」であると言うことができます。
また、主な費用としては、総額で10億もの税金が投入されているそうです。

そして、このあいちトリエンナーレは、文化庁が発行する「beyond 2020」の認証も受けています。
この認証については、後で述べます。

なにが炎上しているのか

さて、大炎上の中身といえば、あいちトリエンナーレの数多くの展示のひとつである「表現の不自由展・その後」という展示です。
内容については、ごあいさつに開催に至る意味や経緯などが書いてありました。

全文はこちらをお読みいただきたいのですが、その展示について、表現の不自由展・その後の実行委員会は「(展示などを拒否された作品を集めて)自由を脅かされ、奪われた表現の尊厳を憂慮し、まずその美術作品をよりよく見ていただくことに留意しました」といったことが書かれています。

その自由を脅かされたということについては、その「ごあいさつ」の冒頭にこんなことが書かれていました。

いま、日本社会で「あること」が進んでいます。自由に表現や言論を発信できなくなっているのです。その領域はさまざまです。新聞や雑誌などの各メディア、美術館や画廊、各種公共施設、日常生活、路上の活動など。その内容もさまざまです。報道や娯楽番組、天皇と戦争植民地支配日本軍「慰安婦靖国神社、国家批判、憲法9条原発、性表現、残酷表現など。その不自由のあり方もさまざまです。検閲、規制、忖度、弾圧、クレーム、NGなど。

つまり、ある種の表現については、さまざまな領域で表現することが難しくなってきており、上記にあるような表現は、検閲、規制、忖度、弾圧、クレーム、NGなど(によって発信を阻止されている)と言っているのです。


確かに、最近地上波のテレビ番組が面白くなくなったというのは大半の人が思っていることのようです。視聴率が低迷しているという文字はよく見ますし、実際に打ち切りになった番組などもあります。
面白くないという理由は色々あると思いますが、例えばSNSなどで番組内容が炎上したり、クレームの電話などで制作サイドがスポンサーに忖度して「自主的にやめてしまう」という事例もあり、一定の表現を超えたものは地上波のテレビで放映が難しくなってきているからだと言われています。

さて、ごあいさつに話を戻すと、ここからが面白いのですが、その「表現が不自由になってきている」という次の段で

私たち実行委員会はこの事態を憂い、美術とその関連領域に絞って、2015年に東京のギャラリー古藤で「自由を脅かされた表現」を集めた「表現の不自由展」を開きました。

と、この展示は既に2015年に民間のギャラリーで開催されたものだというのが書いてあります。公的な美術館などで展示を拒否されたものを一堂に集めて、展示会を開催したと言っているのです。

つまり、絶対に発表できなかったわけではなく、民間のギャラリーでの展示は「可能」だったわけです。
公的な機関でNGを出されたとしても、私的な開催まで止められてはいないのです。

その公的な美術館等で開催を拒否されたものというので、今回集められたものは、一部を除いてほとんどが「強制的に連行されたというのが前提の慰安婦像や慰安婦の写真や絵画」、「戦争を題材にして日本人を侮辱すると受け取られるもの」、「天皇家の方々をシルエットにしてまるで消し去ったかのように見えるものや、昭和天皇のご真影をバーナーで焼いて灰を踏みつける映像など天皇や皇室への冒涜とも取れる作品」などの「アンチ日本」的な作品でした。(作品紹介はこちら

 今回の「表現の不自由展・その後」については、(積極的に言うわけではないにせよ)民間でやるには構わないけど、税金が投入された公的なイベントでこんな内容の展示は困るというのが、中止を主張していた人や批判していた人が言っていたことの中心です。この発言は、名古屋の河村市長の記者会見でも聞かれました。

展示について「中止も含めた適切な処置を取ってくれ」と愛知県知事に要望書を出した名古屋の河村市長が突然の中止発表を受けて、8月5日に記者会見を開きました。

こちらはせめて、冒頭の12分間は聞いていただきたいなと思います。

 

要約すると、実行委員会の会長代行である河村名古屋市長は、「展示の内容について前日のレセプションの時まで、まったく知らされていなかった(スタッフが前もって知った時点で市長に報告していなかった)。愛知県や名古屋市が関わっていて、税金も導入されているイベントに慰安婦像や天皇の関わっているものを展示すれば、強制連行などを県や市が認めたと受け取られてしまう恐れがある。積極的には言わないが、私的な開催をとやかく言うつもりはない。ただ、税金を使ったイベントで、このような展示はダメではないかと言うだけです。」といった内容でした。