Gyao!の無料配信で観ました。
この映画が公開された当時は、二コール・キッドマン主演といえども「夫の生まれ変わりだという少年が・・・」というので、さすがに観に行く気にならず、本当はどういうストーリーかも知らなかった作品です。
二コール演じる主人公のアナは、夫を亡くして以来10年間、独身生活を送っています。
彼女くらいの美貌の持ち主であれば、求婚する人がいないわけないでしょう・・・ということで、ずっと付き合っている恋人のジョゼフがいたのですが、どうしてもプロポーズを受け入れることができず、「No」といい続け、ジョゼフは辛抱強く彼女の心が自分に向くのを待っていました。
何度目かのプロポーズの末、やっとOKを貰ったジョゼフ。
アナの母親の誕生日のパーティーで、来客に発表しました。
ここまではよくある話のような気もしますが、そこに現れた10歳の少年が(知り合いだと思ってパーティーの招待客が入れてしまった)、「アナに話がある」といって、ふたりでキッチンに行くのですが、そこで「ボクはショーン、きみの夫だ」と言いました。
もちろん、何かの悪ふざけかと思い、ましてやずっと忘れられない愛する夫のことを持ち出して話をするなんて・・・と、アナは怒って少年を追い出します。
それからこのショーンが何度となく現れ、しかも本人でなければ分からない事柄を話しました。
とはいえ、本当なら「何か裏がある」となって、追求するとか、そういうのが主人公の行動だと思うのですが、この映画は『もしかしたら、本当なのかも』とアナが思ってしまうところが悲劇です。
死で引き裂かれた絆というのは、こういうものなのでしょうか。
アナの少年を見る目が段々と変わっていくところが、正直「気持ち悪い」。
少年は少年で、アナの夫の生まれ変わりだったとしても、今はたった10歳なんですよ。
よくも考えたなぁ~という感じですが、ストーリー自体は「あり」かなと思います。
「生まれ変わりもの」だと、本当に相手として通用する年齢だといけないわけですから、生まれ変わりがあるかないかは置いておくとしても、これはこれでありなわけです。
でも、いくら亡くなった夫を名乗っているとはいえ、10歳の男の子に惹かれていくというのは、ちょっと異常です。
アナが入浴しているところにショーンも来て、服を脱いで一緒に入るシーンがあり、思わず別のタブをクリックしてしまいました(IE8.0)。
後々調べたら、この映画はやはり「子供を性の対象として扱って」いることが物議をかもし、ブーイングが起こったとのこと。
一緒にお風呂に入ったからといって、特別なことは(当たり前ですが)何もないのですが、そのシーン自体がもう嫌悪感を抱かせるに十分なわけです。
後々のシーンもあり、そのショーンは10年前に死んだショーンではない・・・という「証拠」が提示されるのですが、ここが解釈が分かれるシーンになっています。
可哀想なのは婚約者のジョゼフですよ。
待って待ってやっと結婚をOKしてくれたと思ったら、10歳のガキに恋人の心を奪われてしまうのですから。
まぁ、もともと「ここらで結婚してもいいかな」ということでOKされたプロポーズでしょうし、彼だってそれはわかっていることなので、さらにムカついてしまうわけです。
怒り爆発。
「そりゃそうだよねー」
これ以上書くのはやめますが、この映画は「10年前に死んだ夫が生まれ変わって自分の前に現れたが、それは10歳の少年だった。果たして本当なのか?」というだけの作品です。
ここまで衝撃的な内容なのですから、シチュエーションではなく、ストーリーにもう少し捻りがあっても良かったのに・・・と思います。
最後のシーンはそれなりに胸に迫りますが、それ以外は「ちょっとねー」という感じでした。
二コール・キッドマンて、ドッグヴィルの時もそうですが「ハリウッドらしくない」映画に積極的に出るところは評価できますけど、もうちょっとって作品が多いのが残念ですね。
お金払って観なくて良かったかも。
ひとつ良かったこととしては、久しぶりに元気なローレンバコールの姿を見たことでしょうか。
まだ女優を続けていたのですね、凄い!
記憶の棘(2004)
原題:Birth
上映時間: 100分
監督 ジョナサン・グレイザー
音楽 アレクサンドル・デプラ
脚本 ジョナサン・グレイザー 、ジャン=クロード・カリエール 、ミロ・アディカ
ニコール・キッドマン(アナ)
キャメロン・ブライト(ショーン少年)
ダニー・ヒューストン(ジョゼフ)
ローレン・バコール(エレノア)
アリソン・エリオット(ローラ)
アーリス・ハワード(ボブ)
アン・ヘッシュ(クララ)
ピーター・ストーメア(クリフォード)
テッド・レヴィン(コンテ)
カーラ・セイモア(コンテ夫人)
ミロ・アディカ(ジミー)
まだやってます。
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