あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

見た目だけでは分からない。

先日、私の友人Mさんが参加しているグループのチャリティーコンサートにボランティアとして参加しました。

チャリティーは、ある社会福祉団体の作業所から、美味しい手作りお菓子や雑貨などの直販をしに来て、その売り上げは全額その作業所の運営資金に寄付されるというものでした。

Mさんと私は、この作業所に職員として勤めている方の共通の友人で、Mさんは何かとバザー品を送ったり、心に掛けて応援をしていたことから、今回はただのコンサートではなく、社会的に何かしたいねということもあって、作業所の友人に声を掛けて、参加してもらうことになったのです。

その作業所は、精神障害者用の就労支援施設で、障害者がその施設で働くことで、その先の本格的な就労に結びつく技術や社会生活を身につける場所となっています。

また実際に社会に出て働くのは難しい重たい障害を持った方もその作業所になら来られるということで、週に1回でも2回でも出てくることで、引きこもりにならずに社会参加をすることが出来る場所でもあります。

ただ、福祉の予算は非常に限られているので、運営は容易ではなく、バザーやこのような機会を見つけて、運営資金を集めているのです。

小泉氏が首相時代にできた障害者自立支援法

これにより、障害者にも相応の負担をと、正確な金額は忘れてしまいましたが、一時期施設に来て作業に参加するために登録メンバーの方たちは1回400円か500円を払わなくてはならなくなりました。

そうなると週1回とか2回、社会参加としてこの作業所に来るのでも精一杯という障害者の方には、その費用が重くのしかかり、せっかくの社会との接点を奪われるようなことになってしまったのです。

民主党政権に代わって、さすがにこの負担金はなくなったそうですが、今の民主党を見ていると、次に何がどうなるかが分からないので不安だと言っていました。

私はこのコンサートでお取り置きチケットの係としてお手伝いをさせていただいたのですが、一緒に働いた作業所の女性ふたりは、ちょっと大人しそうな感じの方だなというくらいで、障害者なんてまったく分かりませんでした。

また、後から所長さんと一緒にいらした物販担当のメンバーたちは、先に来たおふたりよりも症状が重い方たちだそうですが、挨拶をきちっとして、販売もちゃんと出来たし、中には少し知的障害のある方もいらしたので、最初のおふたりとは違う感じはしましたが、それを除けば、ちょっと変わったタイプの方という程度で、障害?という感じでした。

長く接していると喋り方やしぐさなどで、なんとなく分かってきましたけど、あまり障害者であるかとか、そういうことは気になりませんでした。

ですが、帰りに作業所勤務の友人とお茶を飲んだ時、それぞれの方の症状がどういうものかとか、色々な実情を聞くと、見た目ではそこまでまったく分からないのに、大変なんだなと驚いてしまいました。

ある方は、確かに「緊張して大丈夫かなとドキドキしちゃいました」とかなり不安げな様子だったのですが、販売をしている時は特別変わったところもなかったけれど、「彼はね、緊張しすぎて粗相をしちゃうことがあるのよ」と教えてくれ、「だから、いつも外出するときは不安で下着だとか着替えとか全部持って歩いているから、ちょっと出歩く時でもすごい荷物が重たいの」とのことでした。

また、途中まで一緒に電車に乗っていたのですが、ある男性は家に帰れるかどうか不安で、所長さんがいつも使っている駅まで一緒に行くからそこからなら帰れるでしょうと言っても考えてしまって、最後は「作業所まで行こうかな」と言い出して、みんなからからかわれていました。

話す時もジョークも言えば、返答もすぐ返ってくるし、全然おかしなところなんてないんです。

でも、全然難しい経路じゃないのに「自宅に帰ることができないかも」というのを聞くと、そうなんだ・・・と考えさせられてしまいました。

もちろん、こういう外の世界で活動することにチャレンジできる方たちですから、そういう人に声を掛けているため、もっと重たい症状の方は参加していません。

もし、事故にでも遭ってしまったら大変ですから。

実をいえば、このメンバーに声をかけても、いったい何人が参加するかなと思っていたそうです。

やるといっても、いざとなるとやっぱりダメだとなることもあるため、全員来られたということも驚いた原因だったみたいです。

いくら資金集めといっても、職員だけが来ても意味がないということで、なんとか話が通じてみんなが来てくれたのが嬉しかったようです。

精神障害といっても、本当にさまざまあるようで、治療して本人も努力すれば普通に社会に出て行かれる人、遺伝的なところで病気になったのかという方は、作業所で頑張るレベル。

とにかくさまざまで、一見そういう病気とか障害があるなどと分からない人がいるため、周囲がどう理解して支えるかも大切なんだと思いました。

この話を出すのもどうか・・・という感じですが、友人と話した時に皇太子妃の雅子様のことが出て、彼女は適応障害とのことですが、本来は原因を取り除けば割と早く治る病気にも関わらず、根本的な原因を取り除く(そもそも皇族になったということが原因でしょうから)ことが難しいので、これだけ時間がかかっているのだろうとのことでした。

また、表に出てくる時の雅子様は、特に変わった様子もないし、通常お子様の運動会などには嬉しそうに参加されているので、「公務もせずに私的なことならできるのか」などと批判する人がいて、それがまた負担になってしまうので、精神的な病というのはやっかいなものだと思います。

職員である友人からすると「そうやって自分のできることから社会参加をしていく訓練をして、やっと良くなっていくのに、理解してもらえないのがまた辛いのよね」ということみたいです。

確かに「内臓のどこそこが悪い」とか「事故で骨を折った」とか、症状がはっきりと分かる、ここがこういう病気というのがはっきりしているような場合には、理解を得るのも簡単ですが、一見なんてことないのに実は「体調に波がある」なんていわれても、その大丈夫な時しか見ていない人からしたら「我がまま」にしか映らないのかも知れないですね。

自分でもどうにもならないことを人から非難されることほど辛いものはないでしょう。

特に擁護する気はないですが、今回の体験で深く考えたことは事実です。