最恐女こまりんさんから、心霊話が送られてきましたよ!
今回は、怖さというのはないのですが、そのかわりちょっとほのぼの系のお話です。
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少し前に女友達のご主人の実家から依頼され、家のチェックをするために伺いました。
都内の高級住宅街にある鉄筋コンクリート5階建の豪華なお宅です。
眼科を開業されていて、2階までが病院のスペースで、3階以上が住居となっていました。
思わず圧倒されて見とれていると、家の若奥様(このお家の娘さん)が出てきて、案内してくださることになりました。
すっごく広いお庭の横を通る時、お宅のおじいちゃんでしょうか、ゴルフの素振りをしているのが見えました。
『おじいちゃん元気だなぁ~』
リビングに通されると、その家のおばあちゃんも出てきて、一緒にお茶を飲みながらしばらく雑談した後で、今回の訪問の目的であるこのお家の状態について話をしました。
依頼された内容というのは、外観がヒビだらけになってきて怖いので、見てもらえないかというものでした。
この手の依頼は結構多いので、私も慣れたものです。
このような場合は、外だけではなく、部屋の中から外と一通り見せていただいた上で診断します。
手順を説明すると、早速若奥様とおばあちゃんと一緒にお部屋から見せていただくことにして、一部屋一部屋見て回りました。
メモを取りながらゆっくり回り、おじいちゃんとおばあちゃんのお部屋と思われる和室に入りました。
バルコニーに出ると、さっき、庭ですぶりをしていたおじいちゃんがやってきて、「ここからの眺めが気に入っていてね」とニコニコしながら話しかけてきました。
そうなんですか・・・・そう返事をしようとしたところ、横にいたおばあちゃんが「おじいちゃんがお気に入りの場所だったのよ」と言ったのです。
メモを取りながらだったので、最初は「へぇ・・・」って思ったくらいだったのですが、ふとメモを取る手が止まりました。
『お気に入り・・・だった?・・・・えっ?いや、おじいちゃんここにいるし』
普通に話して、普通にここに立ってるし!って言おうとしたら、「うちのおじいちゃん、去年亡くなったんだけど、ほら、あそこのヒビをすごく気にしてたのよ」と指さすと、横に立っているおじいちゃんは、ずっとニコニコ笑ってうなずいていました。
本当に亡くなってる人?と思うくらい、とにかくはっきり見えています。
とりあえず「きっと亡くなったご主人も気にかけておいでなんでしょうね。今も心配なさっていると思いますよ」と返事しておきました。
するとおじいちゃんが、「ばあさんはよく足を引っかけて転ぶから、玄関もちょっと見てみて」と言ってきたので、一通り部屋を見せていただいた後で、玄関を見せていただきました。
ちょっと段差がきつい玄関だったので、おじいちゃんが心配していたのはこれかなと「この段差は大丈夫ですか?」とおばあちゃんに聞いてみたのですが、おばあちゃんは驚いた顔をして「あら、あなたおじいさんと同じこと言うのねぇ~。おじいさんもこの段差のことよく言ってたのよ」と言ったのです。
迷いましたけど、私が見たことをお話することにしました。
今もこの家にいて、ニコニコ笑っていること、おばあちゃんを心配していることなど・・・。
すると、おばあちゃんは涙をポロポロと流し、それを見た娘さん(若奥様)も涙・・・。
お茶をいただいたリビングに戻ると、隅にあった仏壇の扉を開けてくれたのですが、中におじいちゃんの写真があり、やっと亡くなった方だということが分かりました。
「私もそちらに行くまでにそんなに時間がかからないでしょうから、もう少し待っていてくださいませ」
おばあちゃんは手を合わせてそう言いました。
するとおじいちゃんは『いやぁ~、まだまだばあさんには長生きしてもらわんと~。わたしの分もうまいものたくさん食べて、元気でいてくれな』というので、そのことをおばあちゃんにお伝えしました。
「まぁ、話し方とかそっくり。おじいさんが生き返ったみたいだわ。ありがとう」
おばあちゃんにそういわれて、普通はこういうことで感謝されることがあまりないので、嬉しくなりました。
でも、よく考えてみれば49日を過ぎても自宅にとどまっているというのは、どうなんでしょうか。。。
おばあちゃんが心配だから、一緒に逝くまで留まっていると思うことにして、その自宅を後にしました。
万が一、この家が手放されたりしたら、それでもおじいちゃんはこの家に住み続けるのでしょうか。。。。。