※本を読んだり、実際に試したりしたことを書いていますが、私は医師ではないため、病気治療にこれが絶対だというつもりでは一切ありません。アルツハイマー型認知症は病気です。適切な医師の診断などが必要ですので、あくまで「こういうこともあるんだ」程度に読んでください。また、どんなことにも例外はあるので、すべての人に当てはまっている話でもありませんので、その点はご了承ください。
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アルツハイマー型認知症
昔は、ボケでひとくくりにされていた認知症ですが、今は色々と研究も進んで、認知症には複数の種類があることが分かっています。
厚生労働省の資料によると、認知症を大別すると以下の4種類に分類されます。
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
グラフ:厚生労働省科学研究「都市部におけるう認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」より
認知症の種類の中で、全体の約7割と最も多いのがアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞にアミロイドβというたんぱく質が溜まり、それが脳細胞を破壊し、萎縮させることで発症します。
アルツハイマー型認知症は症状が現れる10年くらい前から徐々に進行し、表に現れる初期症状としては、単なる物忘れ程度の症状から始まります。少し進むと直近の記憶がなくなる、日付や曜日の認識がなくなる、自分がどこにいるかわからなくなるなどの症状が出てきます。
これら以外に現れる症状は、おおまかに以下の通りです。
- 記憶障害や錯乱が悪化する
- 家族や友人を認識しにくくなる
- 新しいことを覚えられない
- 複数の手順による作業(着替え等)が困難になる
- 新しい状況へ対応しにくくなる
- 幻覚、妄想およびパラノイア
- 衝動的行動
温和な性格だったのに非常に攻撃的になったり、暴れたりする人もいて、この場合は介護する側は非常にストレスを受け、体力を消耗します。
私の友人は、母親がアルツハイマー型認知症で、身体はなんともなかった頃は、自分でどんどん外に出て自宅から10㎞以上離れたところに歩いて行ってしまい、自分がどこにいるかわからなくなってしまうことが度々ありました。
その頃は、まだ人とのコミュニケーションがまったく取れないわけではなかったため、道行く人に助けを求めて警察に連絡してもらったり、交番に連れて行ってもらったりして、その警察から友人に電話があるという感じで、遠くまで迎えに行かないといけなかったりして、とても大変なようでした。
今は、別の病気もあって寝たきりになってしまったので、自宅でヘルパーの手を借りつつ介護しています。
治らない病気だと思われていた
私がどんな病気かを含めてアルツハイマー型認知症を知ったのは、2006年に公開された渡辺謙主演の「明日の記憶」という映画を観たことがきっかけです。
49歳のやり手の広告代理店第二営業局部長の佐伯(渡辺謙)が若年性アルツハイマー型認知症を発症し、その後どうなっていくかというストーリーなのですが、この頃はまだ研究もそこまで進んでおらず、この映画の主人公佐伯も自分がどう変化していくのかを理解した時、ショックで錯乱し、病院の屋上から飛び降りようとします。
その時に「この病気ってさ、止める薬も治す薬もないんだよね?だったらさ、あんたゆっくり死ぬんだって言ってくれよ!」と叫ぶというシーンがありました。
この映画自体は、自分を失っていく主人公に寄りそう人々の温かさなども描かれており、決して暗く絶望的な映画ではないのですが、アルツハイマー型認知症を発症するとこんな風になってしまうのかとかなりショックでした。
しかも、主人公は49歳という若さなわけで、老齢の身ならまだしも、働き盛りで人生の充実期を過ごしていたところにこの病気を発症ってことですから、やるせない気持ちになったものでした。
このように、数年前まではアルツハイマー型認知症はなってしまったら進行を止めるのが困難な不治の病という認識だったわけです。