あじゃみんのブログ

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新型コロナウイルス 「感染7段階モデル」について その2 インフルエンザとの違い

正解だった日本の初期対応・・・なのに

その1では、PCR検査陽性=感染者ではないということについて書きました。

PCRで陽性と出たら、すべて感染者としてカウントしている今のやり方にも多くの問題が含まれています。

元々知られていることですが、PCR検査自体の感度(陽性の出る割合)が70%~80%程度で、検査数(分母)を多くすればするほど擬陽性も出やすくなり、コロナに暴露されてもいないのに「陽性」と出てしまうこともある。また、「陽性」となったからといって、それが単に暴露の段階なのか、もしくは(自己)自然免疫で治癒してしまっている状態なのかもわかりません。そして、本当に「感染」しているかどうかについては、PCR検査ではまったくわからないということが無視されて報道されていることに非常に違和感を覚えます。

このことも踏まえると、初期の頃の日本の対応である「症状が出てから検査をして治療」というプロセスは、とても理にかなっていたわけです。ただ、体温の違いを考慮せず、37.5度以上を4日間というのはやり過ぎだったと思います。未知のウイルスに対応するために医療機関も体制が整っていなかったこともあり、仕方ない面もありますが、今はこのウイルスについてもだいぶ分かってきているのですから、いたずらに不安を煽る報道はやめて、どうしたら日常生活の中で感染リスクを下げられるかに集中して欲しいものです。

もちろん新型コロナウイルス感染症について軽視しているわけではありません。本当に感染しても症状は人それぞれですし、軽症~中程度だからといって、この新型コロナウイルスにとっては軽い部類というだけで、入院した方の体験談では、かなり苦しい状態だったというお話もあります。

陽性=感染ではなくても、念のため医師の診察を受けるのはもちろん、自宅療養をするのは当然ですし、人にうつさない工夫は必要です。また、症状の出ている方は、重症化しないためにも、しっかりと医師の診察を受け、早期に治療を受けることが大切ですね。

インフルエンザとの違い

こういう煽り報道があってもなお、重症化している人や死者についてはそれほど大きな変化はありません。

メディアが〇〇〇人感染!と毎日騒ぎまくっている割には、治療が適切に出来て退院した方の数は多く、重症化や死亡者については、この連日のメディアの騒ぎと比例しない数になっています。もちろん、1人の命であっても大切な命ですが、この騒ぎと現実のギャップってどうなんだろう?と思っている方も多いのではないでしょうか。

それによく「インフルエンザだって、毎年結構な人数亡くなってるし」という話も耳にします。

同じウイルス系の病気ですから、比較は当然ですが、インフルエンザと新型コロナウイルスによる感染症とは、かなり違いがあるので、単純な比較はできません。

この違いについても、高橋教授がインタビューの中で解説されていました。

インフルエンザ

  • ウイルス自体の毒性が強く獲得免疫がすぐに反応する
  • ほとんどの場合、獲得免疫がすぐに働いてウイルスが抑え込まれ一気に治癒する
  • インフルエンザ自体が猛威を振るい、重篤な肺炎により死に至ることがある
  • 感染期間が短い(1週間~10日程度)

新型コロナウイルス

  • ウイルス自体の毒性は弱く、獲得免疫がすぐには反応しない
  • ほとんどの場合、自身のもっている自然免疫でウイルスが抑え込まれて治癒するが治らない場合に獲得免疫が発動する。
  • 別のメカニズム(サイトカインストーム)により重篤化し、死に至ることがある
  • 感染期間が長い(1か月~数か月)

このように、インフルエンザと新型コロナウイルスによる感染症では、決定的な違いとして、それ自体が引き起こす症状と別のメカニズムによって引き起こされる症状の違いがあります。新型コロナウイルス感染症の場合は、後遺症のつらさも指摘されています。新型コロナウイルス感染症の後遺症については、公益財団法人 東京都医学総合研究所(TMIMS)が一般向け、研究者向けにそれぞれまとめていました。私はもちろん一般の人向けのまとめを読みましたが、この新型コロナウイルス感染症はほんとうに侮れないと思いました。

後遺症

TMIMSのまとめでは、2020年7月にJAMA誌に発表された、イタリア・ローマのジェメッリ大学病院の調査結果が紹介されています。

なお、この調査は「患者143例(平均年齢56.5歳)、男性90例(63%)で女性53例(37%)、平均入院期間2週間」の方を追跡調査の対象としており、入院などの必要ない「軽症」の人は除いています。

結果として、

  • 症状発現から平均60.3日後の評価時点で無症状だったのは18例(12.6%)、患者の32%は1~2つの症状があり、55%は3つ以上の症状が見られた。
  • 患者の44.1%でQOLの低下が見られ、特に倦怠感(53.1%)、呼吸困難(43.4%)、関節痛(27.3%)、胸痛(21.7%)を訴える人の割合が高かった。咳、嗅覚の異常、ドライマウス/ドライアイ、鼻炎、目の充血、味覚の異常、頭痛、喀痰、食欲不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛、下痢といった症状を訴える患者もいた。

発症から約2ヵ月の時点においても87.4%の患者が何らかの症状があったとのことですから、インフルエンザと同じとはとても言えません。ただし、この症状については、他の肺炎患者にもあてはまる可能性があり、この症状すべてが新型コロナウイルス特有のものではない可能性も示唆されています。(詳細はこちら

ただし、その他の合併症への危惧についても言及されており、どう考えても「感染」しないに越したことはないのは明白です。

私たちに出来ることは、自分の免疫力を高めて、例えウイルスに暴露したとしても、すぐに撃退できるような健康体でいることが重要ですね。

また、お年寄りや既往症を持っている人など、重症化・重篤化しやすいと言われている(実際亡くなっている方の多くは高齢者です)方たちをいかにウイルスから隔離するかも重要です。

 

その3「自然免疫と獲得免疫について」に続く

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