あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

帰ってきたカラオケマン@シアターウエスト

既に全公演が終了してしまいましたが、2021年9月11日(土)、池袋にある芸術劇場シアターウエストで、11年ぶりの風間杜夫一人芝居「カラオケマン」の新作「帰ってきたカラオケマン」が上演され、エンタメから遠のいていた私も久しぶりの観劇に赴いたのでした。

主人公は、牛山明という営業畑一筋だった元サラリーマンですが、前作では、記憶を無くして旅に出たり、記憶がないのをいいことに浮気をして、結局奥さんに三行半を叩きつけられたりと波乱万丈な人生を歩んでいました。

接待命のサラリーマン、三度の飯よりカラオケが好き・・・ということで、演歌からポップスまで歌いまくる牛山明。

水谷竜二という作家が書き下ろした戯曲で、初演から風間さんの色々なタイプの一人芝居を上演してきました。

そのほとんどを観に行っているのですが、この「カラオケマン」が初演からもう11年も経つなんて・・・ショック(笑)

どうりで歳を取るわけだわねぇ・・・。

舞台は面白いのですが、水谷氏の一人芝居の底にあるテーマというのが「平和」なんです。この作家さん、相当左の方みたいで、度々セリフに日本の戦争の悪かったところをぶち込んでくるのですが、今回も「沖縄は日本に見捨てられた」とか、まだそんなこと言ってるんだというガチガチのレフトなセリフが出てきました。

まぁ、平和を訴えるのはいいのですが、自分のイデオロギーというか、日本をディスっていくスタイルじゃなくて、ただ戦争の悲惨さ、二度と繰り返してはいけない・・・そんなことを素直に感じられるセリフとかを作って欲しかったですね。

今回は、東北のスナックで働いていた牛山明がママの引退を機に東京に戻り、ボランティアとして老人ホームに慰問に行くのですが、そこにいたおばあちゃんが「えっ?沖縄出身なんですか?」みたいな感じで進んでいくんです。

『来た~』

って、思わず心で叫んじゃいました。

この変な正義感ぶったセリフがせっかくの面白い舞台を台無しにしてくれてます、毎回。

まぁ、一部だけなのでいいのですが、やめてもらいたいんですよねぇ、純粋に舞台を楽しみたいので。

風間さんは、2019年に下北沢の本多劇場に観に行った時、「なんか活舌悪くね?」って感じで、セリフ回しが今一つだったのですよ。その時は、風間さんも歳を取ったわねぇ・・・なんて思ったのですが、今回は活舌もばっちりだったし、歌も相変わらずうまくて、とにかく楽しかったです。

そんな風間さんも72歳、舞台の牛山明も同年齢の設定で、自分のことを高齢者と舞台の上で言うのですが、なんか、感慨深いものがありましたね。

熱海殺人事件とかでギラギラしていたあの風間杜夫が72歳。

蒲田行進曲で目からピンク色のビームを出していた、あの風間杜夫が72歳(しつこい?ww)

普通は、セリフ以外は喋らないのですが、今回はこのコロナ禍での舞台ということで、最後に挨拶もあったりして、いつもと違ってそこも良かったです。

やっぱり舞台はいいなぁ~。