あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

ネタばれ御免! SFソードキル

Panasonicのアドベンチャーも最終話まで行ってしまい、ネタ切れでその後追いかけることもなく、すっかり忘却の彼方だった弘ネタ。
パソコンのフォルダーを片づけていたら、「あっ!忘れてた!」というのを見つけました。
1986年上映の「SFソードキル」のレビューを書くことをすっかり忘れてしまっていました。

飽きるの早いもんでね(笑)

情報だけ集めていたので、せっかくなので書いてみます。
これに関しては、レビューではなく、どんな映画だったかの説明&突っ込みひとり漫談という方が正しいかも。

全部は書いていませんが、結構ネタバレかも。

 

後に探検隊長になるとは、ご本人も夢想だにしなかったであろう日本では1986年に上映された藤岡弘ハリウッド主演作「SFソードキル(邦題)」。
後日、原題は「Ghost Warrior」などという頭から超B級宣言的な題名に変えられたみたいですが、もともとはSordkillという題名での上映でした。
(だって、画面がそうなってるもん)

見れば画面はどこかの雪山。
大自然気持ち良さそう~という感じですが、そこに集っている侍たちはなんだかみんなおっかない顔をしています。
侍・・・ということはここは日本です。

解説によると、「1552年、日本の武将ヨシミツ(藤岡弘)は敵に捕われた妻チドリ(ミエコ・コバヤシ)を救出しようとする(後略)」となっているのですが、その説明がないとなんだかさっぱり分かりません。
女性を救出しようとしているのは分かりますが、その人が妻かどうかなんて全然分からないんですよね。
これは、ヨシミツが「敵にやられて山から滑落し、氷漬けになる」ということを説明するために、無理やり作った場面のようです。
結構強そうなのに、弓矢であっさりとやられて落ちてしまいました。
あっけないわぁ。

そして、時は現代に変わります。
広大な自然はまだまだ健在で、雪山にスキーに訪れたカップル(日本という設定だからなのかアジア人ですが、どうにも怪しい日本語で(笑))が、氷漬けになったヨシミツを発見してびっくり仰天。
結局、なんでそうなったのか分かりませんが、ヨシミツの氷漬けの体は、米国ロスにある「カリフォルニア低温外科医療法研究所」へ運ばれます。
日本で見つかったのに、わざわざそういうところに送られるってことは、一応この施設が名のある研究所ってことなんじゃないでしょうか。
そこで、どうしてまたそういうことになったのかまでは分かりませんが、「解凍して生き返らせてみようじゃないか」ってことで蘇生実験が開始されます。

1986年(というより、アメリカでの制作は84年)ですからね、こういうセットも安っぽいです。
こんなんで、何百年も前に冷凍された人体を安全に解凍するなんてできるんだろうか?という疑問は、今の私だから考えるのかもしれませんね。
それにしても、ちゃっちい。

そこで、「ああ、やっぱりダメだったな」ってことになると、この映画は開始から15分くらいで終わってしまうので、なんだかんだ緊張感があるのかないのか不明な感じで、ヨシミツの解凍は成功します。
ほっ。

外から施錠された病院の一室で目を覚ますヨシミツ。
結わいていた髪も今はそのままなので、なんだか危ない感じになってます。
それにしても、色黒すぎ。
たぶん、藤岡隊長は元が黒いのかも知れませんが、それにしてもなんでこんなに焼けてるの?ってくらい色黒な侍で(笑)
そっちに目がいって、ツボを刺激された私は、むふふふふと笑いながら鑑賞を続けました。

こういう映画に欠かせないのが、もちろん美人のヒロイン。
この場合は記者として取材に来たクリス(ジャネット・ジュリアン)で、眼光鋭い日本の武将に興味津々。

色々と警戒しているヨシミツに対して、心を開かせるにはこれしかないと

「刀を返してあげて」

なんてことをヨシミツを解凍したリチャーズ博士に言います。

こんなのに武器を渡して大丈夫なん?という突っ込みをしてしまいましたが、刀は武士の命ということで、なんだかんだあって結局ヨシミツに返されました。
言葉は通じないので、ヨシミツも「ここはどこじゃ」と面喰っているのですが、外には出られないし、なんだか見たこともないような建物だったので、暴れることもなくクリスはいい人っぽいということは分かるからか、おとなしくお酒なんて飲んじゃったりしています。

こんな状況になっても、通訳を雇わないという意味がわかりません。
どうしてこうなったのか、聞きたくないんでしょうか?

そして、ここでまた必須キャラ「僕はおバカ」というアメリカ映画につきもののアホキャラが登場します。
ヨシミツが持っている刀は、値段が付けられないくらいに価値があると信じ、「貧乏から抜け出すにはあの刀を盗むしかない」とばかりに夜中にヨシミツの部屋に忍び込んで刀を盗もうとします。
しかし、相手は腐っても、いや凍っても侍。
十分に休養を取って体力も回復していたヨシミツは、そのバカ者を一太刀で切り捨て、開いたドアから廊下に出ます。

そして、お約束ですがその廊下には誰もいません。
廊下の隅にデスクがあるのですが、トイレにでも行っているのか誰もおらず、デスク上のテレビだけが点いています。
そんなものを見たことがないヨシミツは、四角い中にいる生き物に驚き、刀で突っついたりして遊びます(いや、遊んでるわけじゃないでしょうけど)。
そんな状態で数分が経過したにも関わらず、人っ子一人現れないというB級映画ならではのご都合主義場面が続き、「監視カメラとかないんかい」という突っ込みを想像もしなかったのかどうなのか、ヨシミツは研究所の外にあっさりと出てしまいます。

こんな状態で説明を続けていると全部話が分かってしまいますので、相当端折ることにしますが、途中悪者を刀でばっさりと切って捨て、その縁で知り合った人の好い爺さんに助けられながら、「助けてくれたお礼だ」とお寿司なんてご馳走になったりして過ごします。

ここでも、言葉は通じないんですが、人間同士「ソウル」で会話するんですね(そうに違いない)。

「あら、トシロウミフネじゃない?」

なんて別の客に言われてしまいますが、ヨシミツは知らん顔。
そりゃー三船敏郎なんて知らないですもんね、本物の武将は。

さて、わざわざ日本から冷凍された武将を送られて、蘇生に成功するほどのすごい施設なのに、監視カメラもなく、セキュリティーもないに等しかったから蘇った武将をまんまと逃がしてしまった低温外科医療法研究所。

もちろん、ヨシミツがいなくなったことで大騒ぎしています。

知り合った爺さんを助けるためにぶった切った悪人ですが、まぁ、普通これは殺人事件になるわけで、なんだかんだあって、ヨシミツは現代の警察に追われることになります。

そんな状況で、彼の味方をしてくれるのは、もちろんヒロインであるクリスひとり。
ヨシミツと合流した彼女は、当初、古美術商の店にヨシミツをかくまうのですが、博士に知られて連れ去られてしまいます。

しかし、ここであきらめては中途半端なまま映画が終わってしまうので、ヒロインが活躍しないわけがありません。
ここまでやっといてやばくなったからと彼の存在を葬ってしまおうという滅茶苦茶な博士たちから彼を取り戻し、殺人犯として彼を追っている警察からなんとか逃れなければ・・・孤軍奮闘は続きます。

そして、なぜか日本語喋ってる!
こんな短い時間で習得するとは、うむむ・・・さすがヒロイン。

でもって、最後の最後までハラハラドキドキ・・・は別にしないけど、お~っと!どうなるんだ程度の展開が続き、最後の最後はもうだいたい想像がつくでしょうが、その通りの結末が待っています。

この映画、1986年のパリ国際ファンタスティック&SF映画祭で批評家賞を受賞したそうですが、まぁ、確かにファンタスティックな映画とは言えそうです。

この脚本を読んだ時、藤岡隊長は「日本の侍はこんなことはしない」と食い下がってかなり修正されたそうですが、これでそれなら最初はいったいどんな脚本だったのか、すっごく読んでみたいです。

Sordkill

SFソードキル
Ghost Warrior
監督 J・ラリー・キャロル
脚本 ティム・カーネン
製作 チャールズ・バンド
製作総指揮 アーサー・H・マスランスキー
ほか
出演者 藤岡弘
音楽 リチャード・バンド
撮影 マック・アールバーグ
編集 ブラッド・アレンスマン
公開:1986年3月
日本公開:1986年12月20日

タガ・ヨシミツ:藤岡弘
クリス・ウェルズ(女性記者):ジャネット・ジュリアン
ウィリー・ウォルシュ:チャールズ・ランプキン
アラン・リチャーズ医師:ジョン・カルヴィン
タカギ教授:ロバート・キノ
チドリ:ミエコ・コバヤシ
カール・アンダースン医師:ビル・モウリー
バーガー探偵:フランク・シュラー
ピート・デンザ医師:アンディ・ウッド