主演は、ご存知バツイチ中年スター、ジョージ・クルーニー48歳。
しかし、この人ERに出てる頃からおっさん顔だったから、今やっとその風貌と年齢が合ってきた感じですね。
特にファンでもないですし、こういう濃い顔(よく言うよという知り合いの突っ込みは拒否)はいまひとつですが、映画とは関係ないので観る時は観ます。
この映画、原題は「UP IN THE AIR」。
主人公ライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)は、企業に代わってリストラ対象者にクビを言い渡す痛い感じの仕事をしているのですが、この不況で需要急増(いいのか?)、年に322日も出張をしているため、広いアメリカの往き来はやはり飛行機。
そういうわけで、どこかの街で仕事をしている時以外は、海でもレールの上でもなく空の上(UP IN THE AIR)という生活なのです。
このUP IN THE AIRは、地に足が着いてないという意味も含んでいるし、「幸せ」なんて意味もあったりして、この主人公の他人から見たら寒~いという人生を皮肉ってもいたりします。
そんなわけで、彼はいつもいつも UP IN THE AIR状態。
こんな生活では特定の恋人もいず、家族とも当然疎遠。
ただし、自分の生活には満足しており、マイレージやホテルのポイントカードを駆使してゴールドだのプラチナだのと稼ぎまくったポイントを使って快適VIP生活をエンジョイしているのです。
たまに頼まれる講演も、「しがらみを解放して自由になる」みたいな「荷物を降そう系」の話で、つまらない人間関係に囚われずに生きようと、普通の人ができそうでできない話をもっともらしく自信満々にお話しているわけです。
そんな彼の究極の目標は、マイレージをある目標数分貯めること。
達成した暁には、世界に数人しかいないそのグレードの素晴らしい(と彼が思っている)恩恵を受けることができるのです。
最近の不況のおかげ?か、そのマイレージの目標数値にあともう少し!という心躍らされる状態になっているのですが、新入社員として入ってきた秀才女性ナタリー・キーナー(アナ・ケンドリック)のある業務改善提案に邪魔をされるはめになり、目標達成に暗雲が立ちこめてしまいます。
また、女なんて選り取りミドリちゃんなライアンですが、やはり旅先で知り合ったビジネスウーマンの代表のようなアレックス・ゴーラン(ヴェラ・ファーミガ)に心惹かれ、今までとは違った感情が芽生えていきます。
そこに疎遠にしている妹の結婚が絡んできて、いったい「孤独を楽しみ生きる男」がどうなっていくのか・・・・というのが、この映画のあらすじになります。
はてさて、クルーニーの「人生なんてちゃらいぜ」っぽい演技がなかなか良いのですが、正直言って話の展開が無理くり。
今のいままで「オレのポリシーはこう生きること」なんておっさんがいとも簡単に・・・・なんて、絶対ないっしょ!と突っ込みたくなってしまいます。
ただし、無理矢理でも、さもありなんという展開として認知できるのは、アメリカ映画だから。
お金より大事なものは、○!とか仕事より大事なものは○○!なんて感じの民衆洗脳系の映画はハリウッドの定番ですものね。
いくらなんでもそりゃーないだろと言いたくなる映画なのに、観ていて満足できるレベルに出来ているのは、出演者のしっかりした演技と展開の不自然さが最小限に抑えられて「そしてどうなる?」と思えるところでしょうか。
また、旅好きマイラーにしてみると、ポイントを稼ぐためにあらゆる工夫をしたりする主人公の気持ちに感情移入できちゃったりするのも楽しめちゃう原因です。
出張ばかりのライアンとアレックスが「○月○日はどこそこにいるから会える」とコンピューターに入れたスケジュールを見て次に会う予定を決めたりするところなんて、ちょっと真似してみたいななんて。
後腐れなく、旅先での情事[E:heart]
ジョージが情事で、ジョージアに(嘘)。
原題: UP IN THE AIR(109分)
製作年度: 2009年
監督: ジェイソン・ライトマン
ジョージ・クルーニー(ライアン・ビンガム)
ヴェラ・ファーミガ(アレックス・ゴーラン)
アナ・ケンドリック(ナタリー・キーナー)
ジェイソン・ベイトマン(クレイグ・グレゴリー)