あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

ノック 終末の訪問者

久しぶりのM・ナイト・シャマラン監督作品、「ノック 終末の訪問者」を観てきました。この映画には原作があり、ポール・G・トレンプレイ「終末の訪問者」を基に脚本家のスティーブ・デズモンド、マイケル・シャーマンのふたりが脚本を執筆し、ブラックリストに登録したことで注目され、映画化されたそうです。

ブラックリスト(The Black List)というのは、すぐれた脚本家を発掘するべくBlack List,LCCが運営するサイトで、自分の執筆した脚本をUPすると審査を通過した評価者が閲覧し、評価するというもの。

UPする脚本家については、登録料を払えばだれでも利用できるが、評価を行う側は一定の基準を満たした者でなければならない。

通常の会員では、必ず評価がつくとは限らないが、追加料金を払えば、必ず誰かに評価してもらえるよう仲介が入る仕組み。このブラックリストから発掘され、高い評価を得て注目を浴びて映画化された作品も多く、アカデミー賞を受賞した作品もたくさん出ています。

そんなサイトでこの脚本を読んだシャマラン監督が最終的に監督することになり、制作が開始されました。

あらすじ(ややネタバレ)

アンドリューとエリックのゲイカップルは、赤ん坊の時に養子にしたウェンという女の子と3人家族で、休暇を過ごすため、森の中のキャビンを借りた。

ウェンがバッタを捕まえようと庭で遊んでいると、体中タトゥーだらけの大男が話しかけてきた。「知らない人とは話さない」というウェンに対し、優しく接したレナードと名乗る男は、うまくウェンの心を捉えるが、その後からやってきたおぞましい武器を持った人々に恐れおののき、なんとか家の中でふたりのパパに危機を伝えるが、電話線は切られ、窓ガラスを割られて侵入され、縛り上げられてしまう。

強盗かと思いきや、入ってきた4人は「我々はアポカリプス(終末・世界のおわり)が訪れるビジョンを見た。それを回避できるのは選ばれた君たちだ。どちらかが犠牲になれば、人類の危機を回避できる」というとんでもないことを言い出した。

自分たちはそれを伝え、決断してもらうために来たといい「我々が手を出すことはできない。決めるのはあなたたちだ」と、どちらかが人類救済のために犠牲になる、つまり犠牲になると決めた人をパートナーが殺さなければならない。アンドリューとエリックは、この頭のおかしなやつらを信じないが、決断の時は迫っていると拒否されるたびに4人の中の1人が目の前で殺されていく・・・・。

感想(わりとネタバレ)

シャマラン監督の作品は、かなり多く観ています。

シックス・センスの成功があまりに大きかったために、作る作品ごとにどんでん返しを期待され、結構コケた作品も多いのですが、そのテイストはかなり好きな部類です。

この映画は原作もあり、シャマラン監督は、脚本のリライトも手掛けたそうですが、ある意味正当なストーリー運びで、ひねりがないのが良かった映画でした。

21時過ぎの最終上映で観たので、お客さんはあまり入っていませんでしたけど、席も会員用の広い席が取れたので、ゆったりと鑑賞でき、その世界にどっぷりと浸ることができたのは良かったかな。

終末(アポカリプス)は、元々は神の啓示や黙示などのことで、代表的なものがヨハネの黙示録です。この映画では、ここまで宗教的な話は出てきませんが、とにかく人類の滅亡が迫っていて、それを救うにはエリックとアンドリューのどちらかが犠牲になるしか道がないとか言うのです。まあ、そんなこと信じろっていわれても無理ですよね。

だって、パートナーのどちらかが人類を救うために一方のパートナーに殺されなきゃいけないなんて言われたら、殺されるのも殺すのも絶対嫌だ!となるに決まってるし、そんなバカげた話を素直に信じるのはカルト宗教に毒された者でもない限りいないですよ。この映画は、その無茶苦茶な話を「本当なのかも?」という体で語っていくのです。実際に世界で起きていることは予言された終末なのか、ただのテロや自然災害なのか・・・。閉じ込められた空間でこんなことばかり聞かされ、1人ずつ目の前で人が死んでいくとか、まともでいられる訳ないかもね。

面白い映画でしたけど、1時間40分ほどの中に盛り込むには、ちょっと時間が足りなかったような気もします。思ったほどの盛り上がりに欠けたし、ほとんどがその狭いキャビンの中での話なので、感情移入できないと厳しいかなと思いました。

星をつけるとしたら、3.5くらいかなぁ。5つ星中ね。

平均以上だけど、そこまでじゃないって感じ。

でも、映画館で観る価値がないとまでは言わないですよ。

大きな画面で観て、その世界に浸れる映画でした。

 

ノック 終末の訪問者(2023)

原題:Knock at the Cabin
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン、スティーブ・デズモンド、マイケル・シャーマン
原作:ポール・G・トレンプレイ「終末の訪問者」
出演:
アンドリュー:ジョナサン・グロフ
エリック:ベン・オルドリッジ
ウェン:クリスティン・クイ
レナード:デイブ・バウティスタ
エイドリアン:ニキ・アムカ=バード
サブリナ:アビー・クイン
レドモンド:ルパート・グリント

 

※予告編もわりとネタバレ(笑)