あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

川からの叫び声

さて、こまりんさんの怖い話改め不思議な話シリーズ。

今回は最終回です。

小学校5年生になったこまりんさんが、林間学校で体験した不思議なお話。

***

それまではKちゃんと2人の行動が多かったわたしたちですが、5年生になる頃には、仲良し6人での行動になっていました。
わたしとKちゃん、Mちゃん、Eちゃん、Tちゃん、Aちゃんの仲良し6人組の班行動が主流になったのです。
その班行動で、5年生の時の林間学校はバンガローに1班1軒で泊まりました。
バンガローは川に向かう傾斜地に点々と建てられており、ベニヤ板の壁と床、トタンの屋根で吹き抜け状態になっており、いわゆる天井はありませんでした。
豆電球1つが配線でぶら下がっているだけの室内は怖く、5年生になっていたとはいえ「こんな部屋なの?」とビビり気味でした。
もっと怖いのは、トイレがバンガローにはついておらず、外にあったことです。
しかも、わたしたちのバンガローは、トイレから一番遠い場所にありました。
夜になって、就寝時間になったのですが、そんな雰囲気だから当然怖くて眠れません。
だんだんとトイレに行きたくなってきて、「トイレに行くのも全員で一緒について行く!!」と決めていたわたしたちは、約束通りに夜中に全員でトイレに行きました。
足元が真っ暗で、みんなで手をつないで転ばないように慎重にゆっくりと歩きました。
そしてトイレも各自順番に済ませてバンガローに戻ろうと振り返ると、ひと魂のようなフワフワとした明かりがわたしたちのバンガローに集まっていました!
「なにあれ~(怖)」
とても自分たちのバンガローに戻る気にならず、他の班のバンガローに逃げ込みそこで一緒に寝かせてもらいました。

今思えば、懐中電灯の明かりがひと魂に見えていただけなんですよね。。多分きっと。
見回りをしていた先生たちがわたしたちのバンガローに行くと、当然誰もいない・・・。
バンガローに生徒が一人もいない!!→行方不明だ!!→大変なことだ!!と先生たちは必死にわたしたち6名を探していたんだと思います。
翌朝は、6名用のバンガローに12名で雑魚寝していたわたしたちは、パトカーのサイレンの音で目が覚めました。
驚いてバンガローから出ると、大人たちがぞろぞろと坂を下ったところにある川に向かって行くのが見えました。
消防署の人たちも来ていました。

好奇心旺盛な小学5年生には、いったい何事??と思うような人だかりで、みんなで近づいて行って「先生、どうしたの?」と声を掛けました。
「!!・・・」
先生たちは幽霊を見ているかのように全員絶句。。。
そして大泣きしながら「どこにいたの~~~!!!」と涙と鼻水で声にならない声で大絶叫していました。

「夜中に川から叫び声が聞こえたのよ。絶対に先生はあなた達だと思って、バンガローに行ったら本当に誰もいなくて。」
”絶対に先生はあなた達だと思って”って、他の先生も誰も疑わないところが・・・すごいですよね。。
「ごめんなさい。トイレに行ったら怖くなって、〇〇ちゃんのバンガローに入れてもらってたの。」
「川には行ってないよ。夜は怖いもん。」
時間的にはわたしたちが全員でトイレに行った後に、誰もいない川から叫び声が先生たちに聞こえるくらいしたってことですよね。
単なる見回りではなかったようです。
でも、どうしてほかのバンガローにいるかも・・・とか思わなかったのでしょうか。
置いてけぼり事件の時もそうでしたけど、当然こうかも?とか考えるはずの思考ができない状態って、なぜなんでしょうか。

川からの叫び声を聞いたのがもしわたしたちだったら・・・わからないけれど多分、助けに川に近づいていたかもしれません。
その叫び声が誰だったかはいまだにわかりません。
川での溺れ救出経験のあるわたしには「川には誰か潜んでいて、スキを見せると必ず引きずり込まれる・・」ということがわかっていたので、また誰かを引きずり込もうとしたな・・と直感しました。

後日に林間学校の写真が廊下の壁に掲載されましたが、川の中の岩上に上半身白いシャツ+黒いズボン(足が途中からない)の男性が映りこんでいました。そこは流れが速くなっている場所の岩で、人が行って立てる場所ではなかったのです。
その写真は誰もが気づいて大騒ぎになったので、すぐに掲載から外されました。
ちなみに、翌年からは林間学校の場所が変わりました。