あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

置いてけぼり

さて、こまりんさんの怖い話ならぬ、不思議な話第2弾。

1年生の時の体験からさらに1年経って、またこんなことがありました。

学校の遠足で

これは小学校2年生の遠足の時のことです。
わたしとKちゃんは相変わらず同じクラスで、一緒に過ごしていました。

担任は1年生の時と同じ新任の若い女性教諭でした。

2年生9クラスが9台のバスに乗って、アスレチックが設置されている広い公園のようなところに遠足に出かけました。
お弁当を食べて、写真をとって、自由時間を遊びたおして満喫しました。
そして、まもなく集合時間というのでKちゃんと一緒に集合場所に行ったら、誰もいない。
変だなぁ~とバスの停まってたところに行ってみましたが、あるはずのバスがないのです。
「えっ、なんで?」
わたしとKちゃんはガランとした駐車場所だったところで立ちすくみ、呆然としてしまいました。
園内放送で「〇〇小学校のみなさん、集合時間です。集合場所にいきましょう~」と放送がかかった時は既に集合場所に向かっていたので、そんなに時間に遅れたわけではなかったはずなんです。

なのにわたしとKちゃんが集合場所に着いた時には、帰りのバスは既に出発し、わたしとKちゃんは現地に置いてけぼりにされてしまったのです。
今なら、その時点呼したはずだよねぇ・・・と不思議に思うと思いますが、その時のわたしたちは小学校2年生。
とにかく「置いて行かれた!」ということに呆然として、そんなことは頭に浮かびませんでした。

わたしとKちゃんは手をつないで大泣き。
現地の方がその泣き声を聞きつけて声をかけてくださり、わたしたちが置いて行かれたことを知ると小学校に連絡してくれました。
当時は携帯電話なんてない時代でしたので、出発したバスは学校に向かっていて、引き返してはきませんでした。
施設の事務所で、優しいお姉さんたちに「泣かないで~」とお菓子をもらったり、遊んでもらったりしている間に、教頭先生が自家用車で迎えに来てくれました。
いつも優しい教頭先生は、本当はこの出来事に激高しているにも関わらず、子供の前では「もう大丈夫だからね。忘れられない遠足になっちゃったね~」と笑顔でそう言いました。
でも、その笑顔、ちょっと引きつってましたけど・・・。

そして、わたしたちを車に乗せ、帰る途中でファミレスに立ち寄ってパフェを食べさせてくれて、それぞれを家まで送ってくれました。
置いて行かれた不安などすっかり忘れ、思いがけずパフェをご馳走になって、ふたりは大喜びでした。

あとでクラスメイトに聞いた話だと、バスはそもそも指定席だったのでわたしたちがいないことはすぐにわかったそうです。
隣に座っていた男子生徒が先生に「隣の席の子がいないよ~!」と叫んでいたにも関わらず、なぜか担任の先生がOKを出してバスは出発してしまったとのこと。
思えばこの担任、1年生の時にわたしとKちゃんがいなくなった時も、本当は最後に教室に確認しに来て生徒を引率することになっていたのに「忙しかった」と言って来てくれなかったんですよね。
そして今度は生徒が叫んでいるにも関わらず無視して出発・・・。
なにかが邪魔していたのでしょうか。

1年生の時の出来事を教訓にはしていなかったようですね・・・。
その後に高速のトイレ休憩で、その男子生徒と仲間が泣いて担任と他の先生にも訴えて、初めてふたりがいないことに気が付いたようでした。
担任の女性教諭は、慌てて学校とおいてきた施設に連絡したものの、その時はすでに教頭先生がお迎えに向かっていたそうです。

この置いてけぼり事件、のちにPTAに報告されて大事になりました。
わたしとKちゃんの両親は、別に学校にクレームを入れていなかったようですが、なぜか騒動になってしまったのでした。
1年の時に続き、わたしとKちゃんの不思議な体験でした。

置いてけぼりとは

ここで、このお話とは直接関係ない「置いてけぼり」という言葉について、解説します。この置いてけぼりは、「置行堀(おいてけぼり)」と言って、江戸の本所深川を舞台にした不可思議話の1つで、堀で魚釣りをして帰ろうとすると、掘の中から「おいてけ、おいてけ」と声がして、魚を全部返すまでその声が止まなかったというお話から来ています。落語などでも多く語られたことで、「置いてけぼり」という言葉が有名になったそうで、そこからどう転じたのか、誰かを残して去ってしまう、置き去りにするということにも使われるようになったそうです。

お後がよろしいようで。