あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

みんな違って、みんないい。

この動画は、アメリカ人のレイチェルさんが日本の大学に留学した際に遭遇した「しょうがない」「しかたがない」という言葉について、自分の考えがどう変わってきたかを説明した動画です。

英語だと“It's cann't be helped”ですが、レイチェルさんは最初この言葉が大嫌いだったそうです。

アメリカでは、自分が対処すべき問題があった時は必ず「立ち向かって解決しなければならない」という教育を受けるので、何かあった時に「しょうがない」と片付けてしまう日本人が信じられなかったようです。

しかし、アメリカに戻ってから色々な問題が次々に起こって、いったいどうしたらいいの?!という状況に陥った時、再度自分が嫌いだった「しょうがない」という言葉について考えてみたそうです。

どう考えたかは、動画をご覧いただくとして、最近、日本独特の習慣や言葉について、結構考えることがあります。

色々なサイトで海外の人が日本について語ったりしている中で、たまにお目にかかるのは「日本人は人種差別主義者で、表面だけ優しくて本当は冷たい」という意見です。

色々突き詰めていくと、まず日本人についてあまり理解しようとはせず、自分の価値観で物を見て、その壁を突破できないままに帰国したりして、日本が嫌いになったりすることが原因のようです。

とはいえ、日本が好きで、日本に住んでいる人たちも「日本人と友達になるのは難しい」という人は多いのです。

例えば、友達になったとしても、毎日のように一緒に遊んだりということもないし、学校で仲良くしてくれても、プライベートで気の合う友達になるのは難しいと感じるようです。

確かに日本人同士ということを考えると、もちろん学生時代とかになんでも一緒みたいなことはあっても、それも「同じ学校に行っている間」だけだったり、会社でもそんな感じですよね。
転職したら、会う機会もずーっと少なくなるし、遠くに引っ越したわけでもないのに、何か月に1回会うかどうかという人も多いです。
そう親しくない友達だと「今度食事でもしない?」って誘っても2か月先ならいいよという返事が来たりして、どんな大げさな約束なんだよと思うこともあります。
同じ会社にでもいないと、ちょっと誘って、じゃあ、そうする?というのがあまりないかも知れないですね。
同じ会社でも今日の帰りになんていうのは、ほとんどないと思いますが・・・。

これは、恋人関係でもそうです。
毎日デートしている人も中にはいるでしょうけど、社会人だと色々忙しくて、恋だけにかまっているのは難しかったりします。

以前、デートはどのくらいですか?という外国人の質問に1週間に1回とか月に何回とか答える日本人カップルに外国人が「信じられない」と首を振るというのを見たことがあります。

こういうのだけを見ると、確かに日本人はあまり人と関わることを好まない人種のように思えます。

でも、だからといって日本が嫌いになってしまった外国人が言うように日本人は「優しいのは表面だけ」なのでしょうか?
外国人を受け入れる気持ちのない人種差別主義者なのでしょうか?

自分や周りのことを考えても、決してそんなことはないと思います。
それでも、そう思われてしまうのは、人との関わりの温度差や人との距離感が、他国の人と違って、結構、独特だからかもしれません。

韓国から日本に来て、上記のようなカルチャーショックで一時期日本が大嫌いになってしまった呉善花(オ・ソンファ)さんの著書を読んだ時、中国や韓国では基本的に家族や親類しか信用しないという文化なので、では他人との信頼関係はどのように築くのかというと、早く「家族のような」馴れ馴れしいばかりの関係になるようにお互いが努力するんだそうです。

そこに「親しき仲にも礼儀あり」という言葉は存在しません。

呉さんも、留学していた大学で日本人と友達になろうと努力したそうですが、それは上記の「馴れ馴れしいばかりの間柄」になることを意味していました。

何かを貸し借りする時は、中国や韓国では「貸して」という言葉を掛けることも、返す時に「ありがとう」ということも決してないそうです。
そんなことは親しくない間柄に存在する言葉であり、あなたと私の仲なら、そんな水臭いことはあり得ないということで、自分が例えばペンを忘れたとしたら、黙って借りて黙って返すということが「友達の証」になるんだそうです。

だから、自分が親しくなりたいと思っていた日本人の友人がいつまでも「XXX貸して」とか「ありがとう」というのを聞いて、この人は本当に私のことを友達だと思っているんだろうか?と悩んだそうです。

それからある出来事があり、やはり「日本人は表面は優しいけれど、決して外国人を受け入れようとはしないんだ」とショックを受け、一時的にヨーロッパに逃げてしまったそうです。
その後、徐々に本当の日本人はなにかというのを探っていこうと変わってから、日本人が決して冷たいのではなく、「すぐに熱くなりたい」中国や韓国人と違って、時間をかけて熱くなり、間を取りながら末永く付き合うというのが日本人の人間関係の基本だということに行きついたようです。

このことが分かったのは、5年以上経ってからだったそうです。

この件もあり、数年で帰国してしまった韓国人の中に日本をよく思わない人がいるのもそのせいだということでした。
まだこの日本人の間の取り方が分からないうちに帰国してしまうので、「日本に行ってみたけど、日本人は表面的に優しいだけで、決して心を開いてくれない」と言う人も多いそうです。

人付き合いの感覚の違いは、体感しないとなかなかわからないので、日本人の本当の優しさというものを分かってもらうには、どうしたらいいのでしょうか?

なかなか気づかないことですが、日本人は日本人で、この違いを認識して、相手にその違いを伝える努力も必要なのかなと思いました。
短い時間の旅行だったら、特に問題はないですが、これから日本にも外国人が多く住むようになれば、お互いのカルチャーの違いを積極的に認め合っていかないと、付き合いはうまくいかないでしょう。

もちろん、日本という国に住むのであれば、その国のルールに従うというのは、日本人が外国に行った時も同じなので、それはいいとしても、カルチャーの違いから引き起こされる問題をいつまでも理解せず、間を埋める努力をしなければ、お互いがお互いを嫌いになってしまうと思いますしね。

一部、汚い言葉で外国人をののしっている人がいるのは悲しいことですが、私はほとんどの日本人は決してレイシストでもなんでもないと思っていますし、悪いところばかり取り上げるメディアに左右されず、本当の日本が色々な国の人たちに通じるといいなと思っています。