あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

ぼくらの祖国 青山繁晴著

9784594061838_2正直に告白すると、どっぷりと戦後日本の「歴史教育」を受けた世代の私は、日の丸・・・つまり日本国旗がたくさんはためいているのを見ると「ぞっとする」という、相当に洗脳された人間です。

これは、そんなことが「おかしい」と気付いた今でもそうで、別に右翼がどうということではなくて、単に国旗がたくさんはためいているという画像だけで、なんとなく「軍国主義」みたいな考え方が無意識に沸いてきて、なんともいえず嫌な感じを受けるのです。

自分が生まれ育った国の旗がゆらめいているのを見て、ぞっとするように教育されてしまった国民て、いったいなんでしょうか?

自分の国の旗を見たら、イコール戦争なんて思いが出てくるように、まったく戦争を知らない私が思うのは、いかにも変な話です。

そして、自分の生まれ育った国について愛着を持ったり、自国の文化や歴史を誇らしいと思うことになんだか罪悪感を持っていたのも、本当に本当に「事実」でした。

でも、普段は日本の歴史がどう・・・なんてあまり考えなかったこともあって、あまりこのことについて深く考えることも「おかしい」と思う気持ちはあっても、戦争に負けて裁判で裁かれたりしたのだから、仕方ないんだという程度の思いしかありませんでした。

 

知識がなかった私は「東京裁判」自体が実におかしなものだったということも(恥ずかしながら)よく知りませんでしたから。

戦争という行為を美化したり、肯定する気持ちは微塵もありません。
どういう大義名分があったとしても、戦争は結局、人が人を殺すという殺し合いです。
そんなものを「良い」とか「悪い」という言葉で分類できるものでもないし、理性がある人間という生き物がそんな手段で物事を解決するというのは、間違っているというしかありません。

 

しかし、私はこの本を読んで、自分が大きな過ちを犯していたことを痛切に感じました。

 

ずっと戦争は悪いことだと思っていたし、日本軍というのも悪い存在だと思っていて、軍人という言葉を聞くだけで非常に暗い、嫌な気持ちがしていました。

いわゆる嫌悪感というやつです。

しかし、この本を読んで、戦争は悪と断言しても良いけれど、その戦争に行った人たちは「悪」ではなかったことをようやく自分が気づき、その理由について納得もできたのです。

 

もちろん軍の上層部の人たちは、国民を戦争に巻き込んだ責任があります。
それは誰がなんといおうとあると思う。

 

でも、起きた戦争に行った人たちというのは、別に私利私欲や自分の野心のために戦争に行ったわけではなく、「国のため」や「家族を守るため」と信じて、自分の命を懸けたのです。

 

戦争を考える時、ただただ軍国主義という言葉ですべてが十把一絡げになり、国や国で待つ人々のために命を懸けて戦ってくれた人々をも教育によってではあるけれど、自分で考えることもせずただただ「悪人」と決めつけて考えていた自分の間違いをはっきりと自覚しました。

 

この本は、別に戦争のことだけが書かれている本ではありません。
祖国というものはなんなのか、みんなで考えるきっかけとする本です。
そして、その祖国を考えるためにも、先の戦争で亡くなった方たちに対しての間違った認識を改めなければいけないと教えてくれていると感じました。

硫黄島のことを書かれた章を読んだ時は、涙でなかなか進めませんでした。
安倍政権で必ず、滑走路の下に埋もれている日本の英霊の方々の遺骨を取り戻し、本土に帰してあげて欲しい。

節にそう願います。

 

世界のどんな国にも、子供たちに「祖国」を教える教育がある。
でも、日本にはそれがない。

自分の生まれ育った国の国旗に敬意を表したり、国を愛する気持ちを持つというと「右翼」と言われる。

こんなのおかしいと思いませんか?

 

それぞれに感じ方が違うかも知れませんが、多くの日本人に読んで欲しい本です。

 

ぼくらの祖国 (扶桑社新書)

ぼくらの祖国 (扶桑社新書)