(Original posted on Nov. 4, 2009)
ホラー映画友の会のおタツから携帯メールが入りました。
「悲しい結末だけど、ホラー友の会的には○」
ううむ、それではさっそく見てみなければ・・・・というわけで、いつもは行かないツタヤに行き、カードの更新がてら借りてみました。
ベタベタした泣いてばかりの韓流映画は嫌いだけど、これは最初から最後まで「次どうなる?」って見入ってしまう展開で、ホラーではないけれど確かに○かもしれません。
最初から、誰が殺人鬼で誰がそいつを追う側かというのははっきりしていて、ネタがオープンになっている状況でどう話が展開していくかが面白いんですね。
ちょっと違うけど、コロンボみたい。
犯人がどうやってやったかとか初めに見せておいて、コロンボがネチネチと話をしながら真相を追究していく・・・。
こっちは、真相の追究というより「自分が働かせている売春婦がいなくなった」ことで、その犯人が売り飛ばしたのではないかという疑惑から、「女を返せ」という、最初は単に自分の都合なんですね。
でも、その話の進みの中で色々な人が絡んできてから、単純に「商売女を返せ」だけじゃなくなっていくんです。
その追う男ジュンホ(キム・ユンソク)は、元刑事。
刑事時代からデリバリーヘルス(いわゆる管理売春)まがいのことをしていたのですが、それがバレてクビになります。
それからは、デリヘルを本業として生計を立てていたのですが、雇っていた女性が連続していなくなるという事態が発生し、ひょんなことから、それが同じ携帯番号の客に会いに行った時に起こっていることに気づきます。
そして、その日にまた同じ番号からお呼びがかかって出ていった女性がいたので、「相手の家に着いたら、住所を携帯メールで送れ」と言い、女性もOKするのですが、その相手はまさしく殺人鬼。
特に何をするでもなく、すぐに殺してしまうために女性を呼んでいるようで、住まいも半地下でバスルームからメールを送ろうとしてもつながらず、そこで見つけたある物に恐れをなして「車のコンドームを取ってきます」と言って玄関に向かうと、すでに錠前がしてあり開けることができません。
ロープでしばられてバスルームで殺されるのを待つ女性。
この時点で、しらっとした犯人の表情が狂気を帯びていきます。
そこから、ある展開があって、追う男と遭遇し、追う側と追われる側の疾走が始まります。
もう、ここからは一気に動くところと緩慢な「そんなことしてる場合ちゃうやろ!」って展開がうまい具合に配置されていて、目が離せなくなります。
韓国の法制度って本当にこんななのかなぁ~とか。
私が気に入ったのは、話の展開のスピードの良さと、いわゆる「こいつを出せばOK」みたいなイケメン俳優が誰も出ていないこと。
演技とディレクションで見せる映画になっていることです。
最後も、おタツの言うように「悲しい結末」なのですが、綺麗に終わるより良かったかもしれません。
この殺人鬼自体は、2004年に20人を殺したとして逮捕・死刑が確定した殺人鬼ユ・ヨンチョルをモデルにしているそうです。
そんな事件、あったんですね。
この映画の監督は、この作品が長編デビューだそうです。
すごい才能ですね。
今後が楽しみです。
DVDで、ぜひご覧あれ!
・・・そういえば、ディカプリオでリメイクが決定したと書いてありましたが、レオがなにするんでしょう。
殺人鬼の方かしら???
どっちにしろ合わない気がしないでもないです。
チェイサー(2008)
日本公開は2009年5月。
監督 ナ・ホンジン
脚本 ナ・ホンジン
出演者 キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ