ドラマ版は、まだテレビが部屋にあった時に放映されていたので、欠かさず見ていました。
検視官・倉石義男が亡くなった人の最後の声を聞き、真相に近づくというストーリーです。
主演の内野聖陽さんのオーバーアクトが話題でしたが、このドラマにはあの大袈裟な演技が却ってリアリティーを与えていたような気がします。
劇場版は、そのドラマの集大成というか、これで完結という内容でした。
無差別殺人を犯しながらけいほう刑法39条 1 心神薄弱者ノ行為ハコレヲ罰セズ 2 心神耗弱者ノ行為ハソノ刑ヲ減刑スにしたがって無罪となった犯人。
残忍な犯行によって自分の娘を亡くした母親の叫び声が劇場に響き渡ります。
2年後、その裁判で被告を無罪にした弁護士と精神鑑定をした医師が殺され、まったく別の場所で同時刻に殺されたと思われたこの二つの犯罪が、倉石の見立てで「共通点」が指摘され、同一犯ではないかとの疑問が生まれます。
無差別殺人の遺族の犯行だと決めつける上層部。
でも、倉石は「俺のとは違うなぁ」と、その話を一蹴します。
その後、精神科医の遺体を解剖した法医学の権威や以前冤罪で息子を失った警察官が絡んで物語は進んで行きます。
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今回の映画は、感想を書くのが難しいです。
冒頭の無差別殺人のシーンは、リアリティーがありすぎてとても正視できるものではなかったし(あのままTV放映は絶対無理)、法という名の下にどんな残忍な手口で人を殺しても無罪になってしまう犯人。
遺族のやり場のない怒り、悲しみ。
自分がその立場になったらと、胸が痛かった。
正直言って、展開はすぐに読めてしまう内容だったのですが、推理してどうという展開でもなく、引き込まれてしまいました。
ただ、丁寧過ぎて少し展開が鈍かったのが残念でしたけど。
最後のシーンを観て、このドラマはもう見納めなのかなぁ~とそれもちょっと悲しくなりました。
臨場 劇場版(2012)
出演:
内野聖陽(倉石義男)
松下由樹(小坂留美)
渡辺大(一ノ瀬和之)
平山浩行(永嶋武文)
益岡徹(五代恵一)
高嶋政伸(立原真澄)
段田安則(仲根達郎)
若村麻由美(関根直子)
柄本佑(波多野進)
平田満(浦部謙作)
市毛良枝(山下美奈子)
長塚京三(安永泰三)
隆大介(坂東治久)ほか