2010年10月1日(金)
以前ご紹介したダリオ・アルジェントの「ジャーロ」を映画の日1000円を狙って観に行きました。
モーニング&レイトショーなので、行かれるとしたらレイトしかなく、19時に待ち合わせしてご飯を食べてから入ろうということに。
同行のおタツは、出張先から直行ということで、ちょっと早めに着いたからキリンシティーにいるというメールが入りました。
きっとビールを飲んでいるんだなと(だってキリンシティーだし)思って、嫌な予感がしました。
渋谷駅について電話をすると「店変えようよ」というので、落ち合ってシアターN渋谷の近くにあるトラットリアでイタ飯と相成りました。
そこで、「まずは一杯」ということで、おタツはキールロワイヤル、私はスプリッツァーを注文。
料理を頼んで、美味しく食べながら、「じゃあ、2杯目は赤ワインかな」と赤ワインをグラスで注文しました。
・・・結果的に赤ワインを3本飲み、心地よい感じになっていたのですが、「絶対寝るでしょ!」と指摘すると、おタツは「絶対寝ると思う」と確信したように言い、椅子に座って本上映が始まるために場内が真っ暗になったら、ほんの2秒で寝てしまいました。
どうせ起こしたってまたすぐ寝てしまうので、私だけ映画を鑑賞して帰ってきました。
「あ~、気持ち良かったぁ~」
起きたおタツの第1声です。
「あのさぁ、ひとつ聞いていい?」というので、「いいよ」と言ったら、「面白かった?」と言われ、絶句。
「まぁ、それなりにね」
ということで、その日は解散となったのでした。
さて、その「それなりに面白かったジャーロ」ですが、どんな映画だったのでしょうか。
結構、初心に帰るっぽい感じのダリオ作品の初期の頃の雰囲気は出ていました。
結論としては、アルジェント作品にリアリティーなし!・・・に尽きますね(笑)
まぁ、これはダリオの作品が好きな人はみんな分かってることですけども・・・。
ダリオ監督って、日本人に思いいれがあるのか、前回のサスペリアテルザの時もヘンテコな日本語を話す悪魔(実際日本人ですが、現地で育った方みたいで、日本語は怪しかったんです)が出てきて笑わせてくれましたし、今回もしょっぱなに殺されるのは、日本人設定の何人だか分からない綺麗な外国人女性でした。
まぁ、国籍ってこととか、そういうことを言っちゃえばどんな人だって日本人である可能性はありますが、ここで描かれているのは、正真正銘の日本人という感じの設定なので、どうせなら本当に日本人を使えばいいのになぁ~と思っちゃったのは、私だけではないはず。
まぁ、血がドビャー!とか出ちゃう映画ですからねー。
あの映画に出ていいのかどうなのかっていうのはありますけども・・・。
とはいえ、主演は、戦場のピアニストでアカデミー賞を受賞したあのエイドリアン・ブロディなんですから、悪くはないような気もします(笑)
イタリアで起きた美女ばかりを狙う連続殺人犯を追う刑事という設定ですが、捜査の仕方からして、行き当たりばったりというかご都合主義。
しかも、「えっ!こんな犯罪現場を素手で?!」なんて細部のこだわりもなーんにもないんですよ。
結局、犯人は誰というのは早く出てくるので、謎解きというより、その謎をブロディ演じるエンツォ警部がどう解いていくかなんですが、分かった理由は「まー、よくあるお話ね」って内容で、別にどうってことない展開なのです。
しかし、それでもこの映画は面白かったと思えるのは、このハチャメチャなストーリーを俳優が(当たり前ですが)あくまでも真面目に演じているからなんですね。
エンツォ警部は、美しい母親を殺人鬼に殺されたという暗い過去があるのですが、それを乗り越えた出来事がこれまたすごい!
まぁ、いわゆる「ありえねー」ってことです(笑)
なんか、これやってて疑問が沸いてこなかったんかいな?なんて思うのですが、きっとダリオ作品て、そういうところを超えた面白さを楽しむ映画なんだろうなと思います。
最後の最後のシーンなんて、「ひょえ」って感じで、これはなんかいい!って終わり方でした。
ちょっとセンスを感じました。
あるシーンでは、サスペリアのオマージュか?ってところがあって、ダリオ作品をずっと見ている人にはクスッと楽しめるシーンもありました。
そして、イタリアが舞台でイタリア人が出てくる映画なのに、やっぱり誰もイタリア語を話さないというグローバル?な映画でした。
イタリア語だったら、もっと雰囲気出たと思うのになぁ~。
もうすぐ上映終了ですから、もし観たい方は早く劇場へどうぞ。
ジャーロ(2009)
原題:Giallo
アメリカ・イタリア映画
監督:ダリオ・アルジェント
エイドリアン・ブロディ(エンツォ警部)
エマニュエル・セニエ(リンダ)
エリサ・バタキ(セリーヌ) ほか