半自伝的映画
1970年代に世界を席巻したロックバンド、Queenとそのリードボーカルであるフレディ・マーキュリーの人生について描いた半自伝的映画です。
半・・・というのは、これはあくまで映画=物語ですから、決して史実にすべて忠実でもないし、出来事がすべて事実ではないということです。
批評家から酷評
世界で大ヒットしているこの映画ですが、本国(イギリス)だとか、欧米では批評家などには酷評の嵐なんだとか。
フレディの人生の描き方が中途半端だとか、このシーンは本来こういうものだとか、真実とは違う部分で「浅すぎる!」というのが理由のようです。
演技が大袈裟で、似てないとかね。いや、しかし、
「どーでもよくね?」
だって、所詮は映画ですよ。
あの迫力と彼らの熱を感じて、あの時代を思い出したり、曲に酔いしれたり、それでいいのかなと思います。
永遠のフレディ・マーキュリー
確かに、私も観た時に感じたのは、これってフレディを描きたいのか、それともQueenのバンドの歴史が描きたいのか、どっちつかずの半端感はありました。
フレディの人生を描いているようでいて、実際には表面をなぞっているだけ。
彼の苦悩っていっても、なんか孤独を感じるね、とかエイズにかかっちゃたよ、死んじゃうんだよね・・・とか、そんな感じでそこまで深みもないですし。
でも、本当のことなんて正直誰もわからないわけだし、それを知りたいなら逆に似せないでQueenファンの話にして彼らのストーリーは、ドキュメンタリーにすればいいわけですよ。
映画としての出来と言われれば、確かに上記の通りどっちつかずではあったのですが、全編を通してまるで本当にあの時代が蘇ったような気にもなるし、Queenの音楽は存分に楽しめるし、似ていないと言われればそうかも知れないけど、バンドメンバーのあのそっくりさなんて、トータルで見れば素晴らしいですよ。
ブライアン・メイなんて、ドッペルゲンガーか!って感じだもんね(笑)
YouTubeとかに上がっている実際の映像では、人生の終わりに近づく頃のフレディの痩せこけた体を見て、泣かない人はいないでしょう。
それでも、人生の最後にTHE SHOW MUST GO ONと歌い続けるフレディの魂の叫びが聞こえるようでした。
最後の最後で本物のQueen登場で、エンドロールでかかる曲がTHE SHOW MUST GO ON。
涙なくして観られませんでした。
というわけで、当初普通の2Dでは物足りずにIMAXレーザーで観に行った私としては、似てる・似てない、ストーリーが中途半端というのがないわけじゃないけど、それを補って余りある素敵な映画だったなと大満足でした。
THE SHOW MUST GO ON
これは、見るのがちょっとつらい。