スペイン映画って、結構人間をちゃんと描いている映画が多いので、淡々とした内容でも最後まで観られちゃう映画が多い気がします。
とはいえ、そんなにたくさん観たことはないのですが、今回鑑賞した映画は色々な男女の人間模様がちょっとずつ交差しながら描かれていて、なんだか身につまされる感じの映画でした。
邦題は、「密会1723号室」。
これは、主人公のひとりである男性が愛人と密会する際に必ずホテルの1723号室を予約するというところから取ったようです。
なんか、これだけ見ると「エッチ」な映画っぽいですね。
このパッケージ、なんとかならないもんでしょうか。
借りる時にちょっと恥ずかしいです。
このパッケージごと持って行くわけじゃないですが、
DVDにもプリントしてあるんですよ(^^;
なのによく借りたなと疑問に思われたそこのあなた!
・・・コツというか、判断する材料があるのですよ。
まず、ストーリーをチェックします。
そして、この映画の場合はR18でもなんでもなく、ドラマのコーナーにあり、映画賞なども受賞していることで、このパッケージがいわゆる「騙し」であることが分かります。
つまり、そういう風に思って借りる人を期待している感満載なわけです。
観てみれば、もちろん、そんな映画じゃなくて「人間ドラマ」なんですね。
これはオリジナルのパッケージ。
原題は、傷ついた動物たちというような意味だそうです。
こうやって見ると、もともとそんなエッチ系で売っているのとは違うということがわかります。
この男性シルビオ(ホセ・コロナド)は、自分のオフィスを改装するのにインテリアデザイナーのクラウディアに会うのですが、それが右側の女性(アイタナ・サンチェス=ギヨン)です。
会った途端に一目ぼれ。
そして、クラウディアも彼に惹かれ、ホテルで密会することになります。
この後、シルビオの家族、クラウディアの友人ダニエルとその妻、 シルビオの家で家政婦として働くマリエラとその恋人ホルヘのエピソードが第1楽章、第2楽章・・・といった形で描かれていきます。
それぞれ男女の機微を描いてはいますが、ナレーションで綴られていくことでうまく統一感を出していて、それぞれの立場(浮気性の男、旦那のお金と子供はいるけど、美貌は衰えて夫の浮気を見て見ぬふりをするのに疲れた妻、不倫と割り切っても男のある部分に気づき怒っていたずらする女、倦怠期の夫婦、そして、いつかこんな生活がしたいと夢見る男女)がリアルに描かれていました。
決して華美なところはなく、本当に淡々とした映画ですが、なぜか引き込まれて最後まで観てしまいました。
感動の大作でもなんでもないですが、ちょっとした時間に観るには良い映画です。
密会1723号室(2006)
ANIMALS FERITS
ANIMALES HERIDOS
監督: ベントゥーラ・ポンス
製作: ベントゥーラ・ポンス
原作: ホルディ・プンティ
脚本: ベントゥーラ・ポンス
撮影: ラファ・ユック
音楽: カルレス・カセス
出演: ホセ・コロナド
アイタナ・サンチェス=ギヨン
セシリア・ロセット
マルク・カルテス