はじめに
タロットを学び始めてから、「タロットって、本当に占いなのだろうか」という違和感が出てきました。
一般的にはタロットは占いの道具として知られていますが、実際にカードと向き合ってみると、未来を当てるというより、象徴を読み取り、自分の内側と対話しているような感覚のほうが強くなったからです。
そこで、改めて「占いとはなにか」「タロットとはなにか」を考え、調べてみました。
占いは、不確実なものに意味を与えるための文化的な営みであり、相談者にとっては不安や疑念を払しょくしてもらうためのツールのように感じます。
一方タロットは、象徴を通して自分の物語や心の状態を読み解くためのツールです。
実践練習をしてみて思うのは、たとえ自分以外の人を見る時でも、自分の心の状態やエネルギーがよく反映されるということ。
だから、「当たる」「外れる」という言葉がどうしても合わないのです。
この違いを知ってから、私はタロットを単なる“占い”とは呼ばなくなりました。
タロットは、もっと深くて、もっと個人的な対話のための道具だと感じているからです。
タロットの歴史
タロットはもともとイタリア語の「tarocchi(タロッキ)」が語源です。
これは単に15世紀に生まれたカードゲームの名前。
その後、フランスに渡って「tarot(タロ)」に変化し、英語圏に入り「tarot(タロット)」になりました。
特に深い意味はなく、単なるカードゲームの呼び名でした。
15世紀に貴族が使うカードゲームのカードとして、豪華な装飾を施したカードが誕生したのです。
それが、今のように神秘的な意味を持つようになったのは、18世紀に入ってから。
フランスの神秘主義者たちが、タロットの絵柄に古代エジプトの叡智が隠されていると主張し始めたのです。
実際、カードゲームのカードってだけのものを古代エジプトの叡智が~なんて、正直根拠としては薄いものの、絵柄から意味を見出す「象徴の読み解き」という発想がタロット=神秘的な知恵の書というイメージを作り出したわけです。
ここからタロットは、カードゲームの枠を超えて、”象徴を読むツール”として進化を遂げていきます。
黄金の夜明け団
フランスで象徴の読み解きが始まったあと、19世紀末になると、イギリスで”黄金の夜明け団(Golden Dawn)”という神秘学団体が登場します。なんていうとめちゃくちゃ胡散臭く聞こえますが、ここは、魔術・カバラ・占星術・象徴学などを体系的に研究していた、当時の知識人たちの集まりでした。
この団体のメンバーだったアーサー・エドワード・ウェイトが、タロットの象徴体系を整理し直し、後に「ウェイト版タロット(RWS)」として知られるカードを作り上げます。
つまり、現代のタロットの“読み方の基礎”は、この黄金の夜明け団の思想が大きく影響しているのです。私の使っているタロットもオーソドックスなこのウェイト版タロットです。象徴としての意味合いが、かなりしっくりくるので、興味のある方はこのウェイト版をまずは手に取ってみるのをお勧めします。
心理学的リーディング
19世紀に有名な心理学者のユング(カール・グスタフ・ユング 1875年7月26日 - 1961年6月6日)が登場すると、タロットの象徴を読むという行為に心理学的な解釈が結びつくようになりました。
タロットの象徴は「集合的無意識の表現」として再評価されていきます。
・ アーキタイプ(元型)
・ 無意識の投影
・ 心の構造を映す鏡
こうした概念が、タロットの読み方と驚くほど相性が良かったため、タロットは「未来を当てる道具」から「心を映す鏡」へ大きくシフトしていったのです。
つまり「当たる」「外れる」という、単純なものではなく、カードが示す象徴との”対話”という部分が大きくなっていきました。
当てるのでなく、読む(リーディング)という意味
占いって、時に「あなたはこうなります」という断定に近い結果が出たりします。
タロットももちろん、未来を示唆する結果は出ますが、あくまで心のエネルギーを通じて”可能性”を見ているにすぎません。
つまり、相談者の心持ちひとつで未来は変わるという部分は、こんなことが起こるという断定的な占いとは一線を画すものだと思うのです。
そうすると「それって当てられないから、逃げで言っているのでは?」と誤解されそうですが、そうではありません。
自分でタロットを実践練習してみて、驚くほど自分の状況や来るべき未来の話が納得できるものだったけれど、その未来は断定ではなく今の自分(自分ではなく相談者がいたとしても)の心の状態を映して見ているものなので、変わる可能性が十分にあるのです。
だからタロットの結果でネガティブな要素ってあまりないのです。
恐ろし気な絵のカードだったとしても、必ず未来につながるメッセージが読みとれるのも、タロットの奥深さだと思います。
本当の鑑定とエンタメとの違い
YouTubeなどで人気の占い師さんたちが複数の視聴者向けに三択でカードを選ばせてリーディングするという動画がたくさん出て人気を博しています。
視聴者には、それぞれ好きな占い師さんがいて、常にその方のリーディングを楽しんでいるようです。
私も最初はこれを自分でやってみて、面白いなぁ~と思ってタロットを学び始めたので、それ自体は否定もなにもしませんし、楽しいことなので良いと思っています。
ただ、本当のタロットは、エンタメではないので、やっぱり実際に個人的な対話の中から本当のリーディングができると思っているため、あくまでエンタメとして楽しむには良いという程度に観た方がいいと思っています。
もちろん、中にはスピリチュアルな能力があると思われる人もいらっしゃるので、そういう違いを楽しむのもいいですね。
それに人によっては見ていて「あ~、ダメだこれは」って相性が合わない人も出てきます。自分なりに信頼できる占い師さんの動画を観れば良いかと思います。
