社会的スティグマ
「更年期になったら女としての役割は終わり」――そんな言葉を耳にしたことはありませんか。
実際、夫から「もう家族なんだから」と言われて傷ついたり、努力して綺麗になろうとしたのに「いい歳してみっともない」と笑われてしまったり。
そうした一言が、女性の心に深い烙印(スティグマ)を残すことがあります。
本当は「まだ触れ合いたい」「まだ異性として見られたい」と願っているのに、社会やパートナーからの偏見に押し込められてしまう。
結果として「女として見られないなら、もう愛情も冷めてしまう」と感じる人も少なくありません。
更年期世代の女性の性生活は、文化的にもタブー視されがちです。
年齢を理由に「そんなことを考えるのは恥ずかしい」とされる空気が、悩みを語りづらくしているのです。
けれど、こうしたスティグマこそが、夫婦のすれ違いを深める大きな要因になっています。
データから見える現実
別のところでも触れた調査結果ですが、既婚女性の約7割が「夫に恋愛感情を持っていない」と回答しています。
セックスレスの夫婦は8割以上、そのうち半数以上が10年以上レス状態。
「性欲の減少」を感じる女性は6割を超え、努力しても報われない感覚が強まりやすい。
こうした数字は、単なる「体の変化」だけでなく、社会的な偏見や夫婦間の認識のズレが大きく影響していることを示しています。
前回オーガズムを得るための工夫について書いたのに、調べてみればこんなに多くの人が性生活について諦めのような状態であるように見えます。
せっかく頑張った私の調査が報われないのでしょうか(笑)
まぁ、人はそれぞれなので、もう本当に「どうでもいい」のであれば、別にそれはそれで問題ない話です。
恋人から家族へ、そして最後は空気?!
元漫才師でタレントの上沼恵美子さんが独身時代”過呼吸になるくらい好き”で結婚したご主人に対して、その時と結婚生活が長くなってから感じたことの対比が面白いんです。お付き合いしている時、上沼さんは今のご主人が好きで好きでしょうがないという状態だったそうです。
彼のことを心配して「私、過呼吸になったことあるんですよ」なんて話されていました。恋人時代、外食した時に彼が時計を外してテーブルの上に置くのですが、『私のために時計を外してくれた』と嬉しくて仕方なかったそうです。
一緒の時間に集中したいってことだと感じたわけです。
そのクセは今も健在なれど、それを見て上沼さんは『そんなことするから忘れるんじゃ!』と叫んで笑いを取っていました。
実際どうかわかりませんが、まぁ、20代前半で年上の彼への感情と40年以上連れ添った夫への感情が同じなわけはないですよね。お子さんもふたり育てられていますし、夫が男性・恋人ではなく家族になっていった過程がわかるようなエピソードでした。
ある意味、話しはしないけど、自然に傍にいられるという長年のつきあいだからこその空気のような関係もあり。
だから、それが心地いいとかそれでいいという人は、その幸せを享受して生きるのが正解。でも、やっぱりパートナーとの会話やスキンシップのある時間を楽しみたい・・・そういう人は、まずは自分自身を癒す時間を持つことが大切です。
そこで次に提案したいのが――『ソロ活おばさんのススメ』です。
ソロ活おばさんのススメ
江口のりこさん主演の「ソロ活女子のススメ」。
このドラマが大好きでAmazonプライムでよく観ています。
1人でもものおじせずに様々なことを楽しむことをコンセプトに「ひとりXX」と毎回色々なところへ出かけます。
女性として夫やパートナーとまた親密な時を過ごしたいと思っているあなた。
ここは、一旦、夫婦の問題やパートナーのことは忘れ、ソロ活おばさんとして、1人で楽しめることを見つけるというのをお勧めします。
「えっ?パートナーとのことで悩んでいるのになんで?」
と思った方も多いと思いますが、悩みに焦点を当てすぎると、逆にうまくいかないことの方が多いのです。
どんな問題でもそうですが、自分は変えられても人は変えられないので、まず自分自身を癒して、楽しい時間を過ごすというのは遠回りのようで、実は、とても現実的な行動になります。
結婚したのが遅く、まだ子供が小さい場合は、また違うと思いますが、子育てを卒業し、時間が自由になる人達には、ぜひ1人で楽しむ時間を持って欲しいです。
最近は、共働きも多く、ある程度自分で自由になるお金がある人がほとんどです。
そのような場合は、自分が今まで「やってみたいけどできなかった」ことなどにお金を使ってもいいと思います。
お洒落をして外出するというだけでも気分が上がることもあるでしょうし、スタバでドリンクを買って街を歩いたり、1人でホテルのアフタヌーンティーに行ってみるとかランチに行ってみるとか、まぁ、なんでもいいのですが、ちょっと今までの自分の日常と違うことをしてみるというのは楽しいものです。
このくらいのことだったら、別に専業主婦でもできますよね。
お金を掛けなくても、コーヒーや紅茶1杯で違う気分が味わえれば、いつもどっぷり浸かっている現実にちょっとしたスパイスが効かせられます。
ああ、わかります。
うちはそんなことする時間ないわ!とか、そんなことで今の気分は上がらない!と思った人もいるかも知れませんね。
でも、なんでもいいんです。
自分がちょっとしたことで楽しいなという時間を作る・・・それも立派なソロ活です。
まったく1人でなくてもいいのですよ。
気の合うお友達と食事をするというだけでも楽しいですから、久しぶりに女子会の招集をしてみたりしてもいいかも知れません。
私の母は、ずっと外で働いていた人で、私の友人に会っても、おしゃべりするのが楽しいみたいでした。
友人は、「うちのお母さんは専業主婦だから、社会のことなにも知らなくて、あんな会話できないよ」と言っていたので、その母しか知らない私は「そんなもんなのか」と結構強烈に印象に残りました。
だから、もし結婚しても、社会から取り残されるのは嫌だなと真剣に思っていました。
まぁ、いまだに一人なので杞憂に終わりましたけども(笑)
もちろん、こんな時間を作ったからといって、実際には夫やパートナーと楽しく過ごしたいという希望に応えることにはなりませんが、自分自身の生活を楽しむ余裕ができたら、暗く悩んでいたことも、もっと軽い感じに思えるようになることもあるのです。
まずは、悩みは一旦横に置いて、いつもの日常をちょっとだけ変えてみるというのも、ぜひやってみて欲しいですね。
こうして自分の時間を楽しむ余裕ができると、夫婦やパートナーとの関係に向き合うときも、少し違う視点で考えられるようになります。
だからこそ、次は“女として見られない”という悩みの断片に寄り添ってみたいと思います。
そしてふたりに戻ってみると
ただ、ソロ活で自分自身がリフレッシュしただけで終わっては、パートナー問題どこ行った?ってことになりますね。
実は、この気分転換がもたらす効果ってバカにできないのです。
調査から見える「気分転換と態度の変化」
仲良し夫婦と不仲夫婦の差は「会話時間」にあり
2024年の調査では、仲良し夫婦の会話時間は不仲夫婦の2.6倍。一緒に過ごす時間や会話を持つことで、相手への態度が柔らかくなる傾向が確認されています。
共通の趣味や気分転換が関係改善につながる
- ウォーキングなどの軽い運動を一緒にすることで、コミュニケーションが増えた(男性76歳)
- 野球観戦をきっかけに、興味のなかった妻が夫と話題を共有できるようになった(女性68歳)
→「気分転換の行動」が夫婦の態度を変え、関係を前向きにする例が報告されています。
日常の小さな気分転換が効果的
食事を一緒にする、記念日を祝う、同じ寝室で寝るなどの行動が、仲良し夫婦では不仲夫婦よりも顕著に多い。
こうした「小さな気分転換」が相手への態度を改善する要因になっています。
もし、ふたりで何かをするという習慣がない場合は、ソロ活で培ったリフレッシュ方法で、一緒にできそうなものに誘ってみるという手もありますね。
最初から一緒にこれをやろうだと自分も楽しいかどうかもわかりませんから、お洒落な喫茶店でコーヒー飲んだらいい気分転換になったよーーなんて誘ってみるのもいいかもしれません。
そうやって少しずつふたりの時間が増えたら、ちょっと遠出してハイキングしてみるとか、キャンプまでいかなくてもアウトドアで美味しい空気を吸うだけでリフレッシュできそうです。遠出といってもあまり遠いと疲れてしまうので、電車で簡単に行かれるところとか、自然豊かな場所に住んでいるなら散歩に出るくらいでも十分良い時間を過ごせそうです。
もちろん、ソロ活なんてしなくても、最初からお互いが声を掛け合ってなにかリフレッシュすることができれば何の問題もないのですが、普段コミュニケーション不足できっかけがつかめないなんて時は、ソロ活からのふたり活(笑)もお勧めです。
ただし、ソロ活に関しては、「ソロ活楽しい~♬もう夫なんて要らないわ~」って危険性もあることをここに付け加えておきます。
さて、いよいよ次回は最終回。
ふたりで親密な時を過ごしたいけど、その前に立ちはだかる壁・・・したくてもできない、なかなかに難しい要因などを正面から取り上げていきますので、お楽しみに。
※シリーズ全般を通して、調査結果などを基にまとめていますので、すべての人に当てはまる内容でないことはご了承ください。