デブ。
今の時代こんな言葉を人に使ったら社会問題になりそうです。
それなのにあえて使ったのは、この言葉って”自分が怠慢だから太った”って感じのニュアンスが強いからです。
更年期の場合、それだけとは言えない現実があることを症状編で書きました。
更年期の体重増加は、実際にはホルモンの変化や生活習慣の影響が大きいのです。
そこで対策編では、そんなホルモンの変化や生活習慣によって体重を増やすのをなるべく予防できるようなことがらを調べてみました。
また、症状編の”ふらつくのは歳のせいだった”で書いた筋力の低下についても触れています。
※ここで紹介する内容はあくまで調査や体験に基づくもので、医学的なアドバイスではありません。基本は「専門医に相談」が第一。そのうえで補助的な対策として参考にしていただければと思います。
食生活の見直し
・たんぱく質を意識:筋肉維持のために肉・魚・豆類をバランスよく。
また、卵はたんぱく質を豊富に含み、完全食といわれるため食事に
ぜひ取り入れたい食品です。
・食物繊維と水分:便秘予防と満腹感の持続に効果的。
・間食の工夫:ナッツやヨーグルトなど、血糖値を急上昇させない軽食を選ぶ。
・夜食を避ける:睡眠の質を守り、脂肪蓄積を防ぐ。
年齢を重ねるとそれだけで女性ホルモンと呼ばれる”エストロゲン”が減っていくものですが、閉経後には顕著になり、症状編で書いた通り、さまざまな不調の原因になります。筋肉・筋力の低下や骨がもろくなる骨粗しょう症などもホルモンの低下が主な要因のひとつです。
このため、良質のたんぱく質は意識して毎日摂りたいですね。
完全食といわれる卵の活用も有効です。
コラム:血糖値を見直そう
食事をする時にほとんどの人が気にするのは「カロリーが高いか低いか」ではないでしょうか。
でも、カロリーだけを気にしていても、血糖値が急に上がる食べ方をしているとインスリンが過剰に分泌され、脂肪が蓄積しやすくなります。
つまり、何を食べるかも重要ですが、血糖値の急上昇を抑えてインスリンの過剰分泌を防ぐことが健康の鍵です。
血糖値が急上昇すると次にくるのが急降下。
これは血糖値コントロールがうまくいかず、強い眠気や集中力の低下、イライラなどの原因になったり、とても怖い症状です。
体重増加だけではなく、血糖値の急上昇や急降下が続くと、インスリンの働きが弱まり、糖をうまく処理できなくなります。
その結果、血糖値が慢性的に高い状態が続き、糖尿病のリスクが高まるのです。
糖尿病は、血管や神経に負担をかけ、心臓病や腎臓病などの合併症につながる可能性があるため、早めの予防が大切です。
例えば、白米やパンなどの精製された炭水化物を一度にたくさん食べるより、野菜やたんぱく質と組み合わせて食べることで血糖値の上昇を緩やかにできます。
特に「野菜(ベジ)ファースト」はとても効果的です。
「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」を意識することが、更年期の体重管理には大切です。
運動習慣
- ウォーキング
忙しい時は10分でも効果的。
早歩きや姿勢を意識するだけで血流改善につながります。
習慣化は、なかなか難しいですが、私は会社に行った時は帰りにバス停3つ分歩くなど工夫して歩くようにしています。 - 筋トレ(スクワット・ダンベル)
スクワットで鍛えられるのは 大腿四頭筋(太もも前)、ハムストリング(太もも裏)、大臀筋(お尻)など下半身全体。
特に 大腿四頭筋は「歩く・立つ・座る」といった日常動作の基盤で、加齢による筋力低下を防ぐ上で欠かせません。血液循環の維持にも関わるため、毎日の軽いスクワットは効果的です。 - 【更年期全身痩せ】10回でOK❗これならできる!半分スクワット
- ヨガ・ピラティス
骨盤底筋やインナーマッスルを整え、姿勢改善や内臓のサポートにも役立ちます。 - バランス運動
筋力低下は転倒リスクを高めます。更年期以降は骨密度も低下しやすいため、転倒予防のためのバランス運動は非常に大切です。
コラム:筋力低下を防ぐには
ふらつき→転倒→骨折という、高齢者にありがちな怖い展開を防ぐためには、無理のない範囲で転倒防止の工夫をすることが大事です。
筋力を鍛えることに加えて、骨密度の維持もふらつき予防には欠かせません。
更年期以降はエストロゲンの低下によって骨がもろくなりやすく、転倒した際に骨折につながるリスクが高まります。
カルシウムやビタミンDを意識した食事、そして日光浴によるビタミンDの合成は、骨の強さを保つために大切です。
また、血圧や循環の安定も重要です。急に立ち上がった時に起こる「起立性低血圧」は、ふらつきや立ちくらみの原因になります。
立ち上がる時はゆっくり動作することを心がけるだけでも予防につながります。
さらに、水分不足も血圧の変動を招くため、こまめな水分補給を意識すると良いようです。
更年期には気分の落ち込みやイライラなど、心の不調も現れやすくなるため、 次は「メンタルケア」について考えてみたいと思います。
メンタルケア
なんでデブ対策なのにメンタル?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、体重とメンタルってとても密接につながっているんです。
ストレス太りなんてよく言われますが、ストレスを感じると甘い物が欲しくなって、ついつい糖分を摂りすぎたり、油のたっぷりついたポテチなんかも、気づけば1袋食べちゃってた!(これ私w)なんてこともあるんです。
心を落ち着けて、リラックスすることで、強すぎる食欲も適度な食欲にコントロールできるそうです。
- 趣味や交流を続ける:気分の落ち込みを防ぐ。
- セルフケアの時間:入浴や読書など、自分をいたわる習慣を持つ。
- 睡眠の質を高める:規則正しい生活リズムを意識。
メンタルを整えることは、食生活や運動と同じくらい大切な柱です。
更年期の症状が重い場合、鬱症状が出るなどメンタルの不調につながる可能性もあります。
怖いのは、メンタルが弱って行くと、自殺願望につながる可能性が出てきてしまうことです。
更年期はエストロゲンの分泌が急激に減少する時期で、自律神経や脳内のセロトニンなど神経伝達物質に影響を与えます。
そのため気分の落ち込み、不安、不眠などのうつ症状が出やすくなります。
東北大学などの研究グループが「東京ティーンコホート」の母親を対象に解析したところ、更年期が始まった女性は、まだ始まっていない女性に比べて自殺念慮(自殺したい気持ち)を持つリスクが統計的に有意に高いことが確認されました。
また、社会的な支援を受けている女性では自殺念慮のリスクが抑えられる傾向があることも示されています。
海外を見てみると、英国の調査では、更年期女性の約10人に1人が自殺念慮を経験したと報告されています。
これは他の年齢層よりも高い割合とされています。
※東京ティーンコホート(TTC)とは、東京都の3自治体(世田谷区、三鷹市、調布市)で2012年9月に始まった、思春期における心身の発達を長期的に追跡する大規模なコホート研究です。2012年時点で9~10歳だった子どもたちとその保護者を対象に、現在も調査を継続中で、調査結果は子どもや若者の育成支援施策に役立てられています。
そして最後に、専門家や医療のサポートをどう活用するかについて触れてみたいと思います。
医療・サポートの活用
ただちょっと太るだけなら、健康であれば何の問題もないのですが、更年期以降の女性の場合、エストロゲンの減少をきっかけに肥満に加えて様々な不調がセットになってやってくるのが分かっていただけたでしょうか。
心身の健康を保つためには、ただ「太るから食べない」などの偏った対策をしてしまうと却って不調が増してしまいます。
女性の人生は、男性よりもホルモンの影響を受けやすく、更年期だから太るという単純なものではないのです。
このため、他の対策編でも触れていますが、ホルモン療法など医療機関での受診やお悩み解決のサポートを気軽に利用するのも大切です。
婦人科での相談:ホルモン補充療法やサプリメントの選択肢。
エストロゲンの低下の対策として、私自身はあまり重篤な症状がなかったこともあり、医療機関を受診するまでには至っていませんが、それでもヘパーデン結節や50肩など整形外科などのお世話にはなりました。今は鍼治療に通っていますが、エクオールというサプリメントもヘパーデン結節の痛み軽減効果が期待されるとのことで、レビューなども見て予約をしました。
栄養士やトレーナーの助言:無理のない食事・運動プランを立てる。
あまり体重が増えてしまって、急激に筋トレなどをすると逆効果になりかねないので、適度なダイエットやホルモン補充などで体重を少し落としてから運動するのが良いみたいです。このため、まずは専門家に相談し、更年期女性の体に合わせた食事や運動の方法などを相談することも大切なようです。
ただ、ジムに行くと若いスタッフが多いため、更年期の女性について知識があるかどうかがわかりません。
まずは、YouTubeなどで更年期の情報を専門に発信しているチャンネルなどを探すと良いかも知れないですね。
今は医師も動画を撮る時代、便利になったものです。
サポート機器:骨盤底筋トレーニング機器など、セルフケアが続けにくい人への補助。
これは、別途フェムケアの特集で詳しくお伝えしますが、骨盤底筋がゆるむことで、ぽっこりお腹になってしまったりと嬉しくない症状がたくさんあります。
セルフケアもできますが、なかなか効果が出るのに時間がかかったりしますので、サポート機器の利用なども有効です。
これについては、また別のエントリーで詳しく書きますね。
まとめ
更年期の体重増加やふらつきは、決して「怠慢だから太った」「歳だから仕方ない」と片づけられるものではありません。エストロゲンの減少をはじめとするホルモンの変化が、筋力低下や骨密度の低下、さらにはメンタルの不調まで複合的に影響しているのです。
そのため、ただ「食べない」「運動だけする」といった偏った対策ではなく、
・食生活の見直し(たんぱく質・食物繊維・血糖値コントロール)
・運動習慣の工夫(ウォーキング・筋トレ・バランス運動で筋力維持)
・メンタルケア(趣味・セルフケア・睡眠で心を整える)
・医療・専門家のサポート(婦人科・栄養士・トレーナー・フェムケア機器の活用)
といった複数の柱をバランスよく取り入れることが大切です。
更年期の不調は複合的に現れるからこそ、食・運動・心・医療の4つの視点を組み合わせて、自分に合った方法を見つけることが、健康で前向きな毎日につながります。
参考サイト
更年期・ホルモン療法関連
• 日本女性医学学会「HRTガイドブック」
https://www.jmwh.jp/n-hrt_book.html
• 日本産婦人科医会「更年期障害に対するホルモン補充療法(HRT)」
更年期の基礎知識・生活改善
• 久光製薬「更年期応援ガイドブック」
https://www.hisamitsu-pharm.jp/medicalsupport/guidance/estrana/sizai06.pdf