(Original posted on May 11, 2010)
この作品で気になると点といえば、ストーリー的には○で、ダメというかそこまでしなくてもと思うのは、映画の中での「オチ」から先が長すぎる点かな。
もう、分かった。
お腹いっぱい。
そう言いたくなってしまう展開でした。
それ以外は、舞台劇がベースとのことで、登場人物も場面も限定されているのに映画でよくここまで引きつけたなと感心してしまいました。
前半は、主演の豊川悦司と薬師丸ひろ子演じる夫婦役のふたりが会話しながらほとんどの場面が進んでいくのですが、このふたりがあまりにもはまり役で、飽きるということがありませんでした。
登場人物は、このふたりとメインはあと3人。
映画なので他にちょっとした登場人物が出てきますが、基本は5人で進行するドラマです。
もうひとつ気になった点といえば、とにかく出てくるキャラクターが全員「良い人」なこと。
対立の構図みたいなのはあるにはあるけど、それぞれが「良いキャラ」なので、映画としての構成がこれでいいのか?みたいな感じはしないでもないですが、それは後から思えばということで、オチ以降の若干のたるみみたいなもの以外は、マイナス要素があまりない映画でした。
オチまでに伏線はいくつもあるのですが、「おや?」「あれ?」と思っていても、ふたりの会話とか「あら、これどうなるの?」という展開に目がいっているのであまりネタばれ的なところに頭を働かせるよりも、素直に観た方がいいと思います。
そして、物語の終盤で夫が妻に言うひとことで、「ああ、そうだったんだ」と涙が溢れて止まらなくなりました。
そこまで泣く映画かどうかはわかりませんけど、ふたりの演技があまりに良かったのでその時間までに結構引き込まれているからか、私の「ツボ」にハマってしまい、最後までずっと泣きっぱなしで、飛行機の中で映画を観てここまで号泣している女はきっと私だけのはず!と恥ずかしくて仕方なかったのですが、そうはいってもやめられないし、早く終わって!と思って泣き続けていました。
でも、オチから先がまた長い・・・。
正直、そこまではいいんじゃない?って、いらないなと思うシーンが多かったです。
大人の映画なのに、ちょっとベタ過ぎって。
でも、それを除いては女性にも男性にも観て欲しい、心が暖かくなる映画でした。
久しぶりに小ぶりな日本映画で、良いなと思った作品でした。
観て良かったです。
【あらすじ】
実力も名もあったカメラマンだったのに、ここ1年あまりはほとんど仕事もしないでグダグダしているダメ亭主俊介と、健康オタクで口うるさいが明るい妻のさくら。
以前から浮気ばかりして貯金を食いつぶして生きる状態の夫とのすれ違いを感じていたるさくらは、ある日「好きな人ができた」と離婚して家を出ると言い出し、最後に自分の写真を撮って欲しいと頼むのだが・・・。
今度は愛妻家
製作年度:2009
上映時間:131分
監督:行定勲
出演:豊川悦司、薬師丸ひろ子、石橋蓮司、水川あさみ他