後で様子を見に来てくれた克実先生によると、「いやぁ~、結構大変でしたよ」とのことで、発作を繰り返していたからか、周りの臓器と癒着して、それを取るのが大変だったとのこと。
「そうですか」
それ以外どうにも言いようがなかったのですが、私のお腹には数か所穴が開いているだけなので、あまり酷いと開腹するかもと言われていたのは免れたんだなとホッとしました。
手術前にピーターくんから「克実先生はこの手の手術は数やってるから、みんな上手いって言ってますよ♪」と聞いていたので、あまり心配はしていなかったのですが、さらりと言っても本当に面倒な感じだったのかもと、上手い人に切ってもらって良かったと思いました。
その後のことは記憶も曖昧でもうあまり書くこともないのですが、看護師さんとかとにかく来る人来る人が「痛みはどうですか?」と聞いてくれるので、動く時以外はそこまで痛いという感覚がなかったので、どうしたもんか?って感じでした。
すべての人が「痛みはどうですか?」って聞くので、ちょっとくらい痛いと言わないと悪いような気がして・・・(笑)
どんどん動いてくださいというので、頑張って起きてトイレに行ったりして、傷の痛みにもわりと慣れてきたりもしました。
それより、私の心配ごとは、右側のお腹から直接生えるように出ている管のことです。
様子を見に来た克実先生は、色もいいしすぐ取れると言ってくれたものですが、『取るってどんな風にするんだろう?』と怖がっていました。
上からガーゼみたいなのが貼り付けてあるのでよく見えないから、実際にはどうなっているのか今一つ分からなかったため、抜く時に痛いのかどうかも分からないし、最後の難関!とりるびドキドキしていました。
遠藤事務官も様子を見に来てくれたり、徐々に回復する中で今までのことを思い返して過ごしていました。
食事も出るようになった後の水曜日、とうとう管を抜くという時のことです。
ドキドキしながら克実先生が準備するのを見ていたのですが、一緒に来ていた看護師が「失礼します!」と言って、いきなり私のパジャマのズボンを下着とともにガッ!と下におろしたのです。
もう少しで下半身が見えてしまうかも?ってくらいのところまでだったのですが、あまりにびっくりしてちょっとパニックって感じでした。
もちろん、医師や看護師はこんな状況は日常のことで、1ミリも気にしていないのは態度を見ればわかりました。
でも、私には初めてなので、頭が一瞬真っ白になったのです。
今までは「少しズボン下げますね」とか、みなさん優しく丁寧にしてくださったので、そんなことを感じることはなかったし、いくら私が重いからとはいえ、ゆっくり言ってくれれば体を動かしたりもできたし、心の準備もできたのに・・・・。
かなりショックでしたが、管を抜かれる恐怖もあって、もう天井を見ながら耐えるしかないと黙っていました。
克実先生は淡々と作業を続け、すーっと優しく管を抜いてくれたので、痛みもなにも全然感じませんでした。
そんなこんなでパニック状態だったので、それはそれでホッとして、思わず「もっと痛いと思ってたのに」と口に出して言ってしまいました。
管も抜けたし、あとはいつ退院してもいいですよということで、私の入院生活はあっという間に終わりを告げたのでした。