あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

根拠なき恐怖心で自ら不幸になる人々

科学的根拠に基づく情報を消費者に届ける消費者団体FOOCOM.NETにある専門家コラム、多幸之介先生の健康と食の講座をご紹介します。
これは藤田保健衛生大学臨床検査技師の養成教育に長年携わった後、健康食品管理士認定協会理事長になられ、鈴鹿医療科学大学教授も務める長村 洋一氏が書かれているものです。

今回掲載されていたのは、私も常に直面する「無知ゆえの恐怖心」について、非常に適確に指摘され、未曾有の被害を受けた被災地の救済について書かれているコラムです。
誰でも何でも知っているというのは有り得ない話で、知らないことは恥ずかしいことでもなんでもないのですが、知らないことをそのままにして、いたずらに怖がったりすることは愚かなことだと思っています。

科学は万能でもないし、100%の安全などこの世の中のどこにも存在しないのですが、100%の安全がないからこそ、リスクをどこまで回避するかを工夫して人間は生きていて、それこそが動物の世界とは違う(もちろん動物にも危険回避の本能はありますが)造られた世界で暮らす人間社会の特徴だと思います。

「安全」と「安心」は、まったく違うものであるはずなのですが、メディアなどが「安心・安全」とまるで同義のように取り上げたり、安心情報を安全情報であるかのように見せたりしていることが、混乱の元にもなっていると思っています。

今回のコラムは、「瓦礫を受け入れない県知事や市町村長は日本を滅ぼす」という、ちょっとチャレンジ系のタイトルですが、中身はいたって冷静に書かれた内容です。

被災地の瓦礫を受け入れる自治体が極めて少ないことについて、その原因をこう書かれています。

(引用はじめ)
 だが、積極的な支援が足りず、震災被害者の復興への大きな障害になっている問題もある。

(1)瓦礫処理を受け入れる所が極めて少ない
(2)福島の食品を購入しない

の二つである。

 この両者の問題の最も大きな発生原因の一つは明らかに原発問題である。そして、原発問題をここまで複雑にして、いつまで続くかわからない不安を住民に与えている責任は、ひとえに行政、東京電力、学者の不用意な発言、メディアのこの問題に対する取り上げ方などにあると言える。その結果、一般市民の多くの方が放射能に対して、極めて大きな誤解とそれに基づく安全意識を抱いてしまい、それが問題を深刻にしていると判断している。

 一般市民の心配に対して、ごく弱い放射能を浴びることは喫煙をするかしないかのリスクより低いレベルである、と説明をしても、ただ恐怖におびえて神経質といえるほど不安になっておられる。市民講座などを通して何人も遭遇した。一般市民の、よく分からない、ということに起因する不安とそれに基づく危険回避の心理は、小生にもよく理解できる。こんな状況の中では、少しでも放射性物質が含まれるかもしれないと思われる瓦礫は自分の身近なところに来ては困るし、わずかにしても放射能が入っている食品は食べたくない、と思うのだろう。(引用おわり)

確かに、「放射能」だの「放射線」などと普段あまりお目にかからない言葉が書かれ、「チェルノブイリ」まで持ち出して、TVではセンセーショナルな発言をする科学者の方がより重宝がられているのが現状ですから、見えない恐怖に人々がおびえるのは当然です。

でも、以前「子供を守るため」という全国のママさんたちが集会をしているのを見た際に、兵庫だかどこだか、なぜあなたが?という人が恐怖におびえて泣いていたのを見て、いったいどうなってんの?と思ったものですが、その後、こういう類の人たちが「米のとぎ汁」を使って腐った液体を作り、雑菌だらけのその液体を「放射能に効く」といって子供たちに吹きかけて目を真っ赤にさせたり、お腹を壊させたりしているというのを読んで、無知というより思い込みもそんな馬鹿な行動を取らせる原因なのかとも思ったりしていました。

いくら科学知識がないからといって、そんなの微量の放射線とどっちのが体に悪いのか?という感じですが、「子供を思っている母親」を演じきっている人々には、冷静な言葉より「危ない」「なんとかしないと」という恐怖心を煽る発言の方が根拠もないのに「真実を教えてくれている」と思ってしまう心理にはとても着いて行かれません。

そうでない人たちが、何の根拠もなく騒いでいる人たちがなんと言おうと「きちんとした科学的根拠を基にして、対処している」という姿勢を持って欲しいのですが、ネット社会の今、声を上げるのはネガティブな意見を持った人が圧倒的に多いため、「不安に思う人がいるのは事実」ということで、多くの「冷静な声なき声」は無視される傾向にあるのは残念です。

私もなるべく福島産の農作物を買ったり、産直の美味しい果物などを買うようにしていますが、無理やりではなく、きちんと理解した上で自分にできることをするという方が増えればいいなと思っています。

多幸之介先生の健康と食の講座・長村 洋一
「瓦礫を受け入れない県知事や市町村長は日本を滅ぼす」
http://www.foocom.net/column/takou/5256/

もうひとつ、編集長松永 和紀さんの秀逸コラム
「イオンさん、グリーンピースに褒められて嬉しいですか?」

http://www.foocom.net/column/editor/5245/