あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

怖いのは、風評被害と集団心理

極寒の中、被災地では飢えと寒さで亡くなる方も増えているそうです。

本当に痛ましい、悲しいことですが、私たちができることは、心からご冥福をお祈りすることしかありません。

今、未曾有の災害でなかなか支援の物資が届かない状況があり、行けるところ行けないところなどがあって、対応にも差が出てきているため、怒りを感じていらっしゃる方も多いと思います。

新聞などでは、政府の無策ぶりばかりを批判する記事が目立ってきました。
また、悲惨な被災地の様子をこれでもかとばかりに報道しています。

今回の地震は、予想を超えた規模だったためと、揺れの被害というより津波が大きかったせいで、街が一瞬で飲み込まれるほどの惨事となってしまいました。

大きな瓦礫が道路をふさぎ、当初はまったく通れない場所もあったでしょう。

批判記事の多くには、こうしたら・・・という前向きなものはありません。
ただ、ああできたはずなのにとか後から言えばいくらでも言える的なことばかりです。

書いてあること自体は正論なのですが、そんなことに割くスペースがあるのなら、もっと違うことが書けないのかと思います。

こういう時期になってくると、怖いのは風評被害です。

デマばかり流すチェーンメールもそうですし、大手の名のある新聞社までが政府が無策でダメなんじゃないかということばかり強調しだしているため、さらに不安を煽る自体になっています。

枝野さんの会見を見ていた時、女性の記者かレポーターか分かりませんが、ある質問をして、「そんなのさっきの話を聞いていればわかっただろう?」という質問だったのですが、辛抱強く返答すると、次に聞いたことがまた「だから今ちゃんと答えたでしょう?」という内容で、素人の私が聞いていても、この人何を聞いてるんだろう?と不思議に思うような質問の仕方でした。

世の中には、自分が聞きたいとか主張したいということで頭がいっぱいになり、答えを理解する努力をしない人がいます。

そういう人が物を書くと怖いのは、答えていることの意味をきちんと理解できないがために自分が「こうだな」と思ったストーリーを当てはめてしまうので、インタビューされた側が意図してもいないことを「言った」ことにされてしまうことがあります。

今回の原発事故はIAEAの厳しい基準があるため、レベルいくつ・・・ということで目立ってきていますが、発表されている数値や専門家の冷静な分析を聞いていれば、今の時点で人体に悪影響があるというレベルでないことは分かります。

なるべく分かりやすい言葉で説明しようとしているのは分かりますが、シーベルトなんて単位、聞いたことがある人はどれくらいいるでしょうか?

そんな単位で通常の20倍だの40倍だのと言われてしまったら、ちゃんと判断する期間や単位があるのにその「倍」という言葉だけが独り歩きしてしまっても、ある意味仕方ないと思います。

そして、こうなると「放射能の雨が降る」という、新たなデマを流すやつが出てきて、念のために設定した屋内退避地域があたかも汚染地域のように思ってしまう原因のひとつになっています。

また、分かりやすい言葉だからと安易に使いすぎて誤解を招いている言葉に「爆発」があります。

TVに出ていた専門家の方に、キャスターが「爆発があった模様」という言い方をしたのを聞いて、「爆発というかですね、あれは水蒸気を逃がすってことでしたから、そういうことになるとかなりの大音量がすると思うので、爆発というより、そういうことだと思うのですが・・・」と静かに解説されていたにも関わらず、いつしか「大爆発」とかそういう表現ばかりが表に出て、そういう風に設計されているということはまったく広まらなかったようです。

私はたまたまその先生の解説を聞いていたので、なんでいきなり予期せぬ大事故みたいな表現になってしまったのか不思議で、実際に作業されているこまりんさんに質問してみたのですが、TVで解説されていた通り、福島の原発は、不測の事態に備えて膨張水蒸気が上に逃げるように設計されていて、水蒸気が貯まりすぎると上に逃げる=爆発?のようになると教えてくれました。

なので、いわゆる爆弾が爆発してしまったといような物ではないそうです。

最初に説明してくれた先生がおっしゃったような事実とセットにして使えばよかったのに爆発という言葉だけが残ってしまったので、もっとすごい事故扱いになってしまいました。

予断を許さない状態であることは変わらなくても、もっと冷静になって情報を取捨選択しないとそっちの方が怖いです。

そして、もうひとつ怖いのは、日本人特有の集団心理です。

温かいメッセージがたくさん寄せられていますが、その裏側で誰かの発言や文章の一箇所を取り上げて「不謹慎」「人でなし」とか、もっと汚い言葉でののしるようなことまであって、怖くなります。

それがネットの使いやすさで何十、何百となれば、それが言葉の暴力になります。

最近は、本当に不謹慎という事柄ならまだしも、確かに言い方は悪かったけど、ちゃんと聞いていたら、そういうつもりじゃないってことまで相手が涙を流して謝罪するまで容赦なく叩き続ける・・・というような光景もよく見かけます。

今、被災者の皆さんを思いやって、自分達が努力することはどんどんすべきですが、被災地ではないからといって、私たち日本人はみんなショックを受け、心に傷を負っているのです。

みんな生きていく必要があり、そのためには笑いも必要。
もしこれが、ちょっと冗談を言って笑っただけで「こんな時なのに不謹慎」などと言われてはたまったものではありません。

被災者の方たちのことを思っていても、みんなそれぞれ人生があり、必要以上に自粛自粛で、なんの楽しみもなく暗く縮こまって生きていく必要なんてないはず。

「みんなそうしなければおかしい」という極端な心理状態に陥らないよう、気をつけたいものです。

災害が起こったとき「もっと大変な人達がいるのに自分は情けない」と思うことからPTSDになる人が多い。 そんなことない、みんな怖いし、無力。悲しんだりショックを受けて当然なのです。どうぞ、自分を責めないで、自分に優しく。@norosy

prayforjapan.jpで見つけたつぶやきです。