我が友人、こまりんさん。
「見える」人なのですが、最近知ったところによると「半端じゃない」くらい見える力が強いみたいです。
そんな彼女は、まったく肉を食べず、その影響もあってか低血圧&低体温で、医者からは「生きている人間とは思えない」と言われているほど。
先日、その低血圧がいつにも増して酷くなり、めまいや頭痛に襲われて、すがる思いでいつものかかりつけ医を訪ねていきました。
計ったら、なんと血圧上が45の下が20。
その結果を見て、先生が笑いながらこう言いました。
「いやぁ~、これってこん睡状態の患者と同じくらいの血圧だねぇ」
『笑い事じゃないってば先生、具合悪いんだから何とかしてよ』
へらへら笑いながら言う医者にちょい切れ気味のこまりんさんは、むすっとして黙ったまま座っていました。
先生はどこ吹く風で続けます。
「こんな低血圧と低体温じゃ、幽霊とか見えちゃうかも知れないですねぇ」
『えっ?!』
その話したっけ?と驚いたこまりんさん、でも、先生の表情から冗談の延長であるのが分かりました。
言われてばかりじゃなんだと思って、「幽霊見えるって、そんなのあったら体質じゃないんですか?」と言い返しました。
マジな返答なんですけど、先生はなおもへらへらと笑いながら
「この血圧って、臨死体験する人が多いから。あなたの場合は~普段から臨死状態だから~幽霊も仲間だと思うよ~。声掛けたら生きてた!っていうヤツかな?ま~本当に見えたら笑えるけど~!」
アッハッハ!と笑う先生の顔を見ながら、『ふん!笑ってくれ~!!』と心の中で叫びました。
でも、笑いごとじゃありません。
その時、こまりんさんには「見えて」いたんです。
先生のすぐ近くにいる彼のことが・・・。
そこまで笑うなら、決定打を打ってやる!とばかりにそのことを口に出してみることにしました。
「あの、先生」
「ん?なに?」
「最近、小さい男の子の臨終に立ち会いませんでしたか?頭に包帯を巻いてる」
(・_・)エッ....?
「その子が、今先生の隣にいて、“ありがとう”って言ってます」
「え~~~~~!!!━━Σ(゚д゚;)━━!!」
「ありがとうございました」
「おおおおお・・・・お大事に。。。」
しらっとした顔で席を立ち、診察室を出てきました。
きっと先生は、目をテンにしたまま、呆然としていたでしょうね。
笑い話になんてするから、脅かされるんですよ。
でも、亡くなった子供に感謝されていたわけですから、その先生は、きっと良い先生なんでしょうね。