あじゃみんのブログ

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無期雇用派遣について その1

基本的に派遣社員が同一の部署で3年を超えて働くことができなくなった「労働者派遣法」の一部改正。
その前に「労働契約法」が改正されたことで、有期(期間の定めのある)労働者が通算で5年を同一の会社で働き続けた場合に、その会社に「無期(期限の定めのない)契約をしてちょ!」と申し出ることができるようになりました。
申し出られた企業は、「コストがかかるから嫌じゃ!」とは言えないので、雇う以外にありません。ということで、例えば1年契約を繰り返している契約社員などが「無期で働かせてちょ」と会社に申し出れば、契約社員のままとはいえ、いつ契約を切られるかという心配はなくなるので、一見良いように見えます。でも、実際には5年を超える前に解雇されるという「雇止め」が横行しているようです。これを派遣社員に当てはめると、同一の派遣会社で通算5年以上働いていたら、派遣元に「無期で働かせてちょ」という訳です。つまり、派遣会社の社員になるということですね。申し出れば派遣会社は拒めません。

改正された労働者派遣法では、派遣先企業で同一の部署や課などで3年以上働くことはできないので、この法律通りだと3年で辞めなくてはならないのですが、その場合、派遣会社は派遣先企業に「3年も働いているんだから、この人を直雇用で雇ってちょ」とお願いする義務があります。とはいえ、色々見聞きしてみると、そういうことを実際にやっている派遣会社は聞いたことがありません。まぁ、もしやったとしても、何の拘束力もないので「言ってみたけどダメでした」で終了でも特に問題がないのです。

ただ、同じところで働きたい場合に「派遣元の会社の無期雇用社員となり、就業の安定が約束された人は派遣先が受け入れるなら辞めなくてもいいよん」というのがあるので、派遣会社は慣れた人を辞めさせるより、収入源である派遣社員が同じ会社(部署)で働き続けて貰った方がいいため、大手などは積極的に「無期雇用派遣」制度を派遣スタッフに案内をしているようです。

これって、一見良い制度に思える人もいるかと思いますが、派遣先企業は慣れた派遣の人が派遣元の社員になってくれれば、自分たちで雇わなくていいし、仕事も続けて貰える訳ですから、多少支出が増えたとしても、新しい人に一から仕事を教えることを考えたら、その人に継続してもらった方がいいですよね。
でも、例えば業績が悪くなってコストカットとなった時に真っ先にその派遣社員を切れるわけですから、直雇用なんてしないに限ります。派遣社員が無期の契約になるのはあくまで派遣会社とであって、派遣先企業ではないので、その派遣先では有期というのは変わりませんから、派遣先企業としては直雇用なんてするわけないですよね。
もちろん、積極的に直雇用してくれる会社もない訳じゃないと思いますが、少なくとも私の周りではひとつも聞いていません。

紹介予定派遣でない場合でも、社員になれるチャンスがあったのは昔の話で、無期雇用派遣制度が出来たことで、「自分ところで雇わなくてもこの人はずっと働いてもらえる」となったことで、無限に派遣社員ということにもなりかねない社会となりました。

私は元々「派遣は生活の手段でしかない」と書いている通り、そういう制度はどうでもいいところもあったのですが、逆を言えばどこでもいいなら3年で次にまた仕事を探すというのは超面倒くさいし、年齢のこともあって選択肢も多くないので、まぁ、いっかなー程度に思っていました。

ただ、自由がなくなる気がして、結構考えたのも事実です。