あじゃみんのブログ

美味しいものや、経営する雑貨店のこと、女性の心身の健康について、その他時事ネタなど好き勝手に書いているブログです。

祈りの幕が下りる時 ベースのお話編 その2

 まずは、こちらから読んでね。

ajamin-happy.hatenablog.com

 さて、大学卒業後、警察官になり、その後警視庁捜査一課の刑事になった加賀恭一郎ですが、眠りの森での活躍の後、登場するのは5年後の作品です。

 

眠りの森を読んだ後で、結構待ち焦がれていた私ですが、東野センセイ、全然書いてくれませんでした。

 

1996年発刊「どちらかが彼女を殺した」。

本格推理物ですが、これがまた意地悪というか、私のようなオツムの悪い人間には「えーマジでぇ~」な内容でした。小説の中で犯人を明かさずに読者に推理させるというもの。適当に読んでいた私にはさっぱり分からず、そこでもう一読・・・とはならないので、いまだに犯人は誰だか知りません(笑)。

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

 

 

次の作品は、同年9月の「悪意」、少しペースが上がってきました(笑)

この悪意。

読後感が今ひとつというか、人間の嫌ぁ~な面を存分に味わえる作品でした。

加賀は大学を卒業した後、一時期中学校の教師をしていたのですが、この作品ではその教師時代の先輩が登場します。なぜ教師をやめて警官になったのか。というより、教師をやめた理由が明かされます。 

悪意 (講談社文庫)

悪意 (講談社文庫)

 

 

次に加賀が登場するのは、1992年2月の「私が彼を殺した」。

こちらも最後まで犯人が明かされなかったので、いまだに誰かがわかりません。

きっとこういう人が多いかも知れないのですが、私のように「まぁ、分からないものはしょうがない」って放り投げる人、二度・三度と読んで真相がわかる人、手っ取り早くわかる人に聞く人・・・あなたはどのタイプ?(笑)

 

少し端折りましたが、2000年4月に刊行された「嘘をもうひとつだけ」という短編5編からなる作品。

タイトルになった「嘘をもうひとつだけ」は、眠りの森以来のバレエ物?です。

あの時の知識が活かされるのですが、意味深でちょっと消化不良になりそうなやり取りが出てきて、東野センセイ、意地悪いなぁ~という感じ(笑)

いやいや、そこがシリーズ物の良いところですよ。

あら、そんなこと言っちゃう?みたいな(笑)

でもって、あの素敵なバレリーナとはその後どうなったの?って疑問が当然浮かんでくるのですが、前にも書いたようにそれはいつまでも霧の中・・・。

 

スピンオフで書いてくれないかしら。

 

さて、加賀恭一郎について語ると言いながら、結局作品紹介になってますが(笑)

まぁ、いいや。

 

せっかくだから読んでください。

 

次の作品は、家族がテーマの「赤い指」です。

これもドラマになりました。

gyao.yahoo.co.jp

ドラマでは、父親役の杉本哲太さんがいい味出してます。

難しい年ごろの息子のいる家庭。

そして、介護が必要な年代の母親との同居やその介護についてなど、現代の「家族」が抱える問題をベースに描いています。

主要なストーリーは、幼い女の子が殺された事件を加賀とその従弟で捜査一課刑事の松宮脩平が捜査し、事件の核心に迫っていくというものですが、この二人のやり取りが読みどころです。

従弟の登場によって、以前から語られていた恭一郎とその父、隆正との確執も大っぴらに描かれていきます。

癌で余命いくばくもない隆正の病室を見舞いもしない恭一郎ですが、隆正もその気持ちを理解しています。看護師との将棋を楽しみにしている隆正ですが、実は彼女の手は隆正の一手を聞いた恭一郎が看護師の金森登紀子を通じて指しているものだったのです。

いったいこの親子に何があったのか・・・それはまた別の話ですが、本当は息子を愛している父親の気持ちが、恭一郎に伝わることはありませんでした。

 

赤い指 (講談社文庫)

赤い指 (講談社文庫)

 

 その3に続きます。